気障な科白の文例集


岡澤 「透き通った君の瞳に映るぼくは、嘘なんかつかない」

亜友 「・・・・・・。そんな恥ずかしい科白、堂々と言える奴が信用できるか!」




 <<解説>>

 ギャラリーの評判は良かった。
いわゆる腐女子の文芸少女たちから、最高級の賛辞で迎えられた記憶がある

 通常の用法は、

「愛している」
「嘘」
「透き通った君の瞳に映るぼくは、嘘なんかつかない」



 ぼくの応用編は、公衆の面前で、

岡澤「知らない」
亜友「嘘つけ」

岡澤「本当に知らないんだって」
亜友「顔が笑っている。私の目を見て言ってみろ」

岡澤「本当に知らないよ」
亜友「今、目をそらした。私の目を見て、もう一度言え!」

岡澤「・・・・・・。透き通った君の瞳に映るぼくは、嘘なんかつかない」
亜友「・・・・・・。そんな科白、真顔で言う奴が信用できるか!」




 高校2年生にしては、背伸びしすぎですね。
でも 2ch の、「人生で1度は言ってみたい台詞を集めるスレ」は、甘いです

 次、腐女子のお姉様たちを、激怒させた科白。


常務 「君は、亜友ちゃんと仲直りしたいだけなんだろう?」
岡澤 「そんなことはありません」

常務 「君が今までの無礼を詫びれば、仲直りのお手伝いは、しても良いんだよ」

 常務の言葉に、我を忘れて怒鳴り返す岡澤。

「ふざけるな! 今の言葉を取り消して、亜友に謝れ!
 そうやって亜友をダシに使うのは、教師の傲慢だ!
 お前らに、教師を名乗る資格はない!」


この科白が、実在の二十歳男(20)から飛び出したことが、許せないらしく・・・。

 気障な科白とは、少し違いますかねえ。



 男友達との会話の中でも、

友人 「この店の珈琲、値段だけの味はしたね」
友人 「でも俺は、悪いけど、やっぱり自分で淹れる珈琲が一番かな」

岡澤 「珈琲は豆じゃなくて、プライドを煎じて飲むんだからそれで良いんだよ」



 女の子の視線は、気にしていませんね。

後輩 「コンパとかで、『酔っていない』と言い張って飲み続ける奴、いるよね」
後輩 「見るからに酔っているのに、確かにいるよね」
後輩 「でも逆に、『酔った、酔った』と言いつつ、飲み続ける奴も多いよ」
後輩 「言っていることと、行動が滅茶苦茶だよね」

岡澤 「バーカ。そういう奴らは、自分に酔っているんだよ」

当然、岡澤は話の輪から外れて、手酌で飲んでいます





 ただ、冷静に考えて、
中学3年のラブレターに、自作の詩を一本というのは、気障の真骨頂というか

 自尊心の塊というか、
「少しでも自分に劣等感があったら、恥ずかしくて言えない科白」のオンパレード。



 典型的な具体例

・亜友は、自分の家を見られるのが嫌で嫌で、岡澤を交番に突き出してしまった



亜友・母 「・・・・・・という訳なの。ゴメンなさいね。今、あの娘に替わりますから」

亜友 「昨日は、ゴメン・・・・・・」
岡澤 「・・・・・・」

亜友 「・・・・・・」
岡澤 「これからは、君の家じゃなく、君自身のことを見るようにするから」





 秋以降は、状況が状況だったため、
よほど気障な科白を連発した気がするが、いちいち紹介しきれない

 最後に2つほど、珍妙な発言を紹介。






 シチュエーション

・5年4組が注視する中、玲奈ちゃんと2人で、T美ちゃんの給食を応援する



玲奈 「○ちゃん、無理しなくても良いけど、野菜も頑張って食べよう」
ぼく 「野菜だって、生きているけど、○○さんのために、畑から来てくれたんだよ」

玲奈 「ダイコン。その科白、言っていて恥ずかしくない?」
ぼく 「少し。でも、家の妹に言うと、効果あるよ」

玲奈 「5歳の女の子と一緒にしないで!」









 シチュエーション

・山越の祖父母宅の朝食で、祖父母と母、9歳と5歳の従兄弟と、6歳のぼく



従兄(9歳) 「代ちゃん。ご飯に梅干で、『日の丸ご飯』って言うんだよ」



 とっさに食卓を見渡す6歳児。

代祐(6歳) 「じゃあ代ちゃんは、ホウレン草に梅干で、『バングラディッシュ』だ」

 祖父だけが、真っ先に大笑いした。








 咄嗟の一言のエンジニア。


 ふと、太宰治のような無頼漢という言葉で思い出す。
玲奈 「ダイコンは、障碍者のくせにいつも格好良いことばっかり言うんだから!」

 −厚木第二小学校卒業式前日の、別れ話で、涙交じりの玲奈ちゃんの言葉。


 障碍児の方が、小学生離れした科白を平気で吐く。

「障碍者になってから、いつも思うんだ。素のままの方が人間は綺麗だよ」とか、

「ぼくの体は障碍児のままなのに、『玲奈ちゃん』の体はどんどん大人になってゆくな」とか。

 −上の言葉は、当時の記憶をもとにした創作です−

キザはキザだけど、嫌味に聞こえないというか、上手いところに落とす方法を見つけたというか。