サマー ウォーズ


 責任者出てこいっ。

映画全体が、俺の人生に酷似しているんだよっ!





 17歳の、数学オリンピック日本代表崩れ。
この文句を見た瞬間に、見なきゃいけない義務感に襲われてしまった

 いつの間にか婚約偽装させられる話。
偶然、半年ぶりに訪れた映画館で、これだけの情報が載ったポスターを見た。




 まず、基本的な設定から。
「長野県上田市の旧家で、甲州武田氏の子孫」って何の真似だろう

 山越の曾祖父と、同じである。
また曾祖母・小林亀代も、陣内栄ばあちゃんと同じく、学校の先生だ。

 高祖父・岩手梶五郎が旧旗本で、
上田市内の神川小学校の初代校長、曾祖母も神川小の先生だった。


 せっかくなので、祖母宅の八代目岩手梶五郎の参考文献


・岩手家先祖書 其の壱
・岩手家先祖書 其の弐
・岩手家先祖書 其の参
・岩手家先祖書 其の四


 初代の岩手信國というのが、
東京大学図書館にも保存されている、寛政重修諸家譜の岩手信國だと思われる。



 だが、梶五郎高祖父が建てた家。
あれは信濃国分寺の境内にあるから、別所線には乗らないはず。

 だから、旧家の場所は忘れていた。
だが、よく考えるとあの場所は、養子である山越の祖父の生家だ

 今は上田市だが、旧武石村の辺り。
上田駅から別所線で50分、さらに市営バスで40分、そして徒歩で15分・・・



 だが、リアル・サマー・ウォーズ。
これを実際にやると、つまり最後に信濃国分寺が炎上して終わる

 それはそれで面白そうだが、
「家族の喧嘩で文化財一個消滅って、スペック高すぎ」と佐久間君。

 高校野球長野県大会の描写。
準決勝での、上田高校も佐久長聖も、従兄弟の出身高校なのだが。

 親戚に自衛隊員は聞かないが、
伯母の兄が、消防士で、曾祖母の孫には、警察官もいるらしい。


 東大出の、米国帰りの天才数学者。
高祖父の曾孫には、ぼく以外にも全く同じ設定の人物がいる

 私生児という視点で考えると、
6歳まで私生児扱いだったぼくは、祖母に預けられていた時期もある。

 米国帰りではないが、東大と人工知能。
主人公の健二君もぼくと良く似ているが、侘助さんもぼくに似ている?

 そうか。2005年、貯金通帳もって家を飛び出したのか。
いや、侘助さんが開発したラブ・マシーンの戦略も、ぼくの方法に似ている。


 −人工知能はカジノ・ステージに集まる







 良く見てみると、「取材協力 上田中央消防署」
先ほどの親戚の消防士さんは、上田中央署管轄内の消防署長を定年退職

 監督が、上田中央消防署の集まりに来たのなら、
ぼくの伯母の兄にあたる消防署長さんと、面識があっても不思議はない。

 そう言われると、2〜3年前に会ったときに、
「上田を舞台にした、地球防衛隊のような映画」という話を聞いた気が・・・・・・



 で、昔の記録を当たってみると、2年も前でなく、
1年と少し前の、2008.8.14. のところにそれを伺わせる記述が残っている

 伯父の新盆で、伯母の兄が母の実家で一休みしていて、
「代祐君の顔を見ていたら思いだした」と、上に書いた話をしてくれた。

 その時に「半年くらい前の話かなあ」と言っていた。
「どうせ長野県内か、上田市内のローカル局の話だろう」と思っていたが。







 夏希先輩の祖母宅は、上田市民の典型。
監督が実在の家族を元にしたか、上田市が積極的に協力したかのどちらか

 で、上田市は積極的に協力しているようで、
伯父の弔辞まで読んだ母袋市長には、真っ先に耳に入っただろう話である。

 消防署に来たのが、2008年の早春ならば、
少なくとも、半年前の2007年秋頃には母袋市長の耳に入っていたはずである。



 祖父は、特定郵便局長会の元信越代表。
伯父のバックには、土地の有力者がついていたという背景があるのである

 祖母が、旧旗本家の跡取りという立場。
母袋市長にとっての典型的な上田市民像が、祖父母の大家族だった可能性は高い。

 母袋市長とは、ぼくも面識がある。
従兄弟の結婚式で、伯父はぼくを連れて政治関係者に挨拶回りをした記憶が。



 祖父母の大家族は、典型的上田市民像。
その証拠に、2010.1.15. AM7:55 分頃のNHK「おはよう日本」に出てきた

 この程度では、もう驚くこともない。
登場人物は、祖父と伯父(の写真)と従兄弟で、伯父の他界は2年前の間違い。

 偶然、ニュースを見ていたら出てきた。
この出てきた従兄弟こそが、上に書いた上田高校と佐久長聖高校の兄弟である。



 2巻の冒頭の侘助さんを見て、思い出した。
伯父の家で、初めて「5歳の誕生日パーティ」をしてもらった時の思い出を

 父に遠慮して、誕生日パーティをしなかった。
母が電話で伯父に感謝して、伯父は「いくら父なし子でも可哀想だ」と母を叱った。

 すると、母袋市長にはそう話している。
監督がこの話を聞けば、「私生児がいるなんて、さすが武家出身の旧家」の流れ。









 こうして、夏希先輩の設定が完成した。
次に監督は、この大家族に支援される資格のある主人公を探して歩いた

 そして、消防署で若き数学者の話を聞く。
監督の中で、市長から聞いた話と消防署長から聞いた話が、繋がる瞬間だった。

 同一人物を言っているのだから、当然だ。
ここで、侘助さんなら健二君を、理論的な面でも助けられるという構想ができた。

 もちろん、当の消防士も親戚に織り込む。
映画「サマー ウォーズ」の制作裏話は、こうして復元することができたのだ。



 元ネタ同一人物説は、監督も気付いていない。
さもなければ、冒頭付近の主人公「ぼくとは正反対だ」発言は有り得ない

 日本代表崩れクラスは、通常東大に進学する。
健二君は、そもそも10年経ったら、侘助さんの設定に成長しているのが普通なのだ。

 漫画版を読んでいて、さらに不自然を発見。
日本の高校生が夏休みに入る頃には、数学オリンピックの国際大会は終了している。

 3巻のラストは、健二君は微妙に矛盾する。
東大生を「ぼくとは正反対」発言しておいて、東大の理学部志望というのはねえ。



 監督が、上田市内で映画の元ネタを探したところ、
ぼくの人生より面白い人生は、そうそう転がっていなかったという理屈である

 平安文学における源氏物語の役割というか、
「世界は引用のモザイク」というぼくの世界観を打ち破る独創性は、どうにも難しい。





 ぼくが気付いたのは、単なる憶測でなく、
伯母の兄に連絡をとるのは大変だから、上田市役所に聞いてみようという発想。

 すると、上田観光コンベンション協会は、
「岡澤さんの親族をモデルにしたわけでない」と、やや的外れな回答をしてきた。

 ぼくは、主人公と自分の類似性が気になった。
祖父母の大家族と、映画の設定の類似は、そもそも確かめようがない話である。



 上田市内に大家族があることは、知っている。
ぼくは、数学オリンピック日本代表逃しをイジられた気がしただけである

 そこを、わざわざぼくの親族に限定して、
調べれば分かる伯母の兄ルートに関しては何の回答もせず、頑なに関連を否定してきた。

 例えば、情報の正確性を期すために、
母袋市長が、念のために曾祖父の戸籍を調べた形跡が、市役所に残っているのかも。

 ただ、上田市役所は曾祖父を知っている。
祖母の話だと、川沿いの土地の持ち主を市が調べたら、曾祖父だと連絡が来たらしい。



『ブラック・オクトウバー』は、ぼくの元カノの自殺をイジる話。

『サマー・ウォーズ』は、ぼくの数学オリンピック日本代表逃しをイジる話


 協賛企業に、ピコ株式会社が見つからないのが不思議なくらい。





 上小地区(上田・小県)には、親戚が集まる。
親戚の「戚」の字の書き方を、一本の映画に仕上げたにしては大きな話なのだが