πとナブラの正しい料理法


 文芸部と数学部に兼部すると、まさにこの状況。

「幼馴染みの組合せを間違える」タイプの記憶喪失は、他に実例を知らない。






 まず、基本中の基本として、
オープニング・ムービー中の円周率小数点以下53桁は、「同時通訳」する

 1000桁で100秒を切った岡澤。
目で追うだけの50桁5秒は、当然ながら決して速くないスピードなのである。

 むしろ、気になるのは数表?
「何故、真っ先に画面に出てくる数字が "801" なのか」を、問いつめたい。





 どうでも良いけど、課題の投稿小説、
探偵の記憶喪失から始めたら、内心の葛藤に読み応えがでるんじゃない?

 自分が仕掛けたとしか思えない密室のトリック、
ドアの前で悩んでいて、思い切って叩いたら、手がドアの中に吸い込まれていった。

 「でも、誰にも信じてもらえない」と悩む。
皆に見せるしかないと意を決して実演したら、手をドアにぶつけただけで一同大笑い。


 「アンタに超能力を授けて記憶を消したのは、この私だよ」

 「アンタの推理力を試してみたかっただけ。まだ捕まってもらうわけにいかない」


Y子編集長なら、褒めてくれそうだけど。





 もともと数学教育で始まる公文。
数学部と兼部している岡澤&羽生はもちろん、Y子編集長も一流の数学力

 圭四郎の告白を巡り、三條と八上が喧嘩。
岡澤との関係を巡る、亜友と達弥の喧嘩を目の当たりにしたY子編集長か?

 岡澤と羽生の二人は、その結果、
幼馴染みの記憶を互いに別々に喪失して、パラレルワールドに旅立ったのだ



 すると、この話も岡澤が元ネタ?
なお、羽生が旅立ったパラレルワールドが、「ブラック・オクトウバー」である

 4期生の仲間がそれに関わった。
ということは、「πとナブラの正しい料理法」には、4期生は関わっていないはずだ。

 希望的観測では、脚本はY子編集長。
岡澤の持ってきた円周率100万桁表に、「100万桁目は1なんですね」と言った人

 Y子編集長の、円周率の思い出。
東大入試会場で一緒になった岡澤が、『円周率の問題』を的中させた記憶もある





 岡澤の脳内設定


小鳥遊一貴:羽生 ♂ (*)
遠野圭四郎:岡澤&宗一郎 ♂

三條綾乃:亜友 ♀
添城七夏:Y子 ♀
八上明日香:達弥 ♂


羽生 「なんで達弥が八上さん役なわけ?」
岡澤 「亜友には女の子に見えたんだろう?」

岡澤 「Y子ちゃんを羽生に取られた・・・」
亜友 「アンタには、私がいるから良いの!」



(*)・・・「たかなし(鷹無し)」が正解。「わしない(鷲無い)」も有効?
 ・・・って、日本全国に30人くらいしかいない、レア苗字らしいですけど・・・・・・








 岡澤のたくましい妄想物語


 Y子ちゃんは、公文国際学園の寮で6年間過ごしたが、
保護者の名前が母親になっていることから、複雑な過去を思う

 苦境の亜友を、見事に救出した岡澤を慕って東大受験。
浪人した噂までは聞いたが、2浪して東大には失敗したとも聞いた。

 3浪を考える彼女を、陸上部の宗一郎が止め、
「東大なんて目指すの止めて、俺を助けてくれよ」と一言



 Y子ちゃんには、同姓同名も多そうだ。
早稲田のスポーツ科学だと話は上手く繋がるが、この写真は別人?・・・

 早稲田在学中、岡澤の親友の羽生に会う。
羽生の過去の重さと記憶欠損を知って、Y子ちゃんと羽生は惹かれあう。

 Y子ちゃんは、羽生の記憶欠損を慰め、
「岡澤さんと羽生さんは、パラレルワールドに存在するんですよ」と。

 だって、このゲーム制作、早稲田だろう?



 その結果が、このシナリオ。
「あすなろ白書 第1部」じみた展開で、なんか心温まるのですが

 でも、「あすなろ白書」に重ねると、
「羽生は取手君役で、岡澤は掛居君役」にしか見えない気がするのだが。







 この物語を高校時代に戻すと、
確かに「πとナブラの正しい料理法」になるのだが、Y子ちゃんは何処?

 人違いだったら申し訳ないが、
早稲田のスポーツ科学の、同姓同名さんの写真と睨めっこして、気付いた。


 岡澤のY子ちゃん判定ポイントは、「身長と眼鏡」


 この写真では、判定できない。
せめて、タバコの箱でも一緒に写してもらわないと、判定のしようがない

Y子 「そこまで低くないです!」


 そこで、写真に落書きしてみる。
そして、眼鏡を書いて心頭を滅却すれば、Y子ちゃんに見えなくもない

 結論:判定不能
「人違いだとしたら、早稲田のY子さん、本当に申し訳ありません」





 次に、統計的手段を取る。
Y子ちゃんの苗字は、全国で十指に入る有名苗字で、全国に100万人いる

 そして、肝心の名前の方は、
あと10年も早く生まれていたら、女の子の名前でトップの座を占めている多さ。

 しかし、苗字より名前は多様性に富み、
その年生まれで最も多い名前ですら、全体の0.5%に満たないくらいのようだ。

 たぶん、この年代のY子率は0.2%以下。


 すると、同姓同名のY子ちゃんは5万人に1人。
偏差値にすると90近い数字で、これは早稲田大学の偏差値を軽く超える

Y子 「何の偏差値ですか?」
岡澤 「名前別萌えランキング偏差値」
Y子 「統計を、セクハラに使わないで下さい」

 さらに、この数字に学力を加味して、
早稲田以上の学力を持っている人を、100人に1人と単純計算しておこう。

 実際に入学するのは、その5分の1くらい。
すると、早稲田に入学可能なY子ちゃんは4年に1人ほど誕生しそうで、

 実際に早稲田に入学するY子ちゃんは20年に1人。
そもそもY子ちゃんの学歴が全く不明なので、2種類の値を利用する。



 ネットで出てきた彼女は、現役・1浪・2浪か不明。
この3年間に、4年に1人のY子ちゃんがもう1人登場する確率は

 (1/4)*(3/4)*(3/4)*3 = 27/64

Y子 「岡澤先輩。3浪や留年の確率は考えなくて良いんですか?」
岡澤 「人違いだと失礼だから、その可能性は考えない」
Y子 「もう、取り返しがつかない程、失礼だと思いますけど」


 ネットで出てきた彼女が、浪人という情報があれば、
この2年間に、4年に1人のY子ちゃんがもう1人登場する確率は

 (1/4)*(3/4)*2 = 3/8


 ネットで出てきた彼女が、2浪という情報があれば、
同じ年に、設定の同じY子ちゃんがもう1人登場する確率は

 1/4

なお、この3年間に同じスペックのY子ちゃんが3人以上登場する確率は無視。



 次に、岡澤想定のY子ちゃんが、
「早稲田に入学した」という確実な情報のもとに、計算した場合、

 現役・1浪・2浪か不明の彼女。
この3年間に、20年に1人のY子ちゃんがもう1人登場する確率は

 (1/20)*(19/20)*(19/20)*3 = 約3/20


 ネットで出てきた彼女が、浪人という情報があれば、
この2年間に、20年に1人のY子ちゃんがもう1人登場する確率は

 (1/20)*(19/20)*2 = 約1/10


 ネットで出てきた彼女が、2浪という情報があれば、
同じ年に、設定の同じY子ちゃんがもう1人登場する確率は

 1/20

同様に、この3年間にY子ちゃんが3人以上登場する確率は、無視した。



 うっかり忘れるところだったが、
同スペックのY子ちゃんは、写真で見ただけでは区別できないとの議論

 つまり、2人のY子ちゃんが早稲田に入学した場合、
写真のY子ちゃんが真正のY子ちゃんである確率は、5割と計算すべきかの話。


Y子 「岡澤先輩ともあろう人が、その議論を忘れていたんですか?」
岡澤 「深層心理は、あの写真が『別人』だと望んでいるんだと思う」
Y子 「どういうことですか?」
岡澤 「あの写真を真正と認めるには、被写体に萌え属性が足りない!」
Y子 「人違いだった場合、許し難い失礼な発言だと思うんですが・・・・・・」


 まあ、5割と計算すべきなのでしょうが、
そもそも特に、27/64、3/8、1/4、の値は、あまり意味のない数字です

 さらに、3学年分を計算する必然性もなく、
これらの計算は全て、「どんなに低く見積もっても」の確率を計算しただけです。



 すると、ネットで出てきた彼女=Y子ちゃん率は、
「どんなに」低く見積もっても50%を切らないが、95%も超えない

 で、さらに早稲田を見てみると、
Y子ちゃんと同姓同名の人が、1999年に修論を書いている

 Y子 「同姓同名の人に迷惑だから、強制終了します!」





一貴 「七夏。数学って、こんな妄想の材料にも使えるんだよ」

七夏 「数学科に行く前に、病院に行った方が良い気がするんだけど」


●織 「ね、やっぱり『有害数学者規制法』は必要でしょ?」