蒲団


「二人の間の関係をどう御観察なすったです」 父親に問うた。

「そうですな。関係があると思わんけりゃなりますまい」


「あの頃の手紙はこの間皆な焼いて了いましたから」 その声は低かった。







 戦前の男女交際の息づかい。

亜友 「お父さんも、お母さんも、相手が岡澤なら、高校卒業後に結婚しても良いって」

ただ、この場合、「家族ぐるみのツツモタセ」臭が強いのだが。





●織 「あの頃のメールはこの間皆な焼いて了いましたから」 その声は低かった。

岡澤 「ぼくの方は保身のために、あの頃のメールは全て保存してあります

−だから数学者は病気!−


−今どき、半年も仲良くしてて、キス未経験メールが公表されるのは逆に痛い−


亜友からの手紙は、実際に横浜地裁に提出した。

●織ちゃんメールも、どうせ似たような展開になりそうだったから・・・・・・

でも一般公開したら、また連続殺人が起きる可能性があります







亜友 「高校生クイズの優勝者さんとは?」

岡澤 「彼女とは、1度しか会ったことがないから、証明も難しい」


亜友 「本当に?」

岡澤 「初対面で『数学者の自殺』を熱弁する女に、2度も会えるか!



亜友 「その晩、他には何かあったの?」

岡澤 「財布のHPを使い果たして、店員同伴でATMまで行った!


亜友 「彼女は、立て替えてくれなかったの?」

岡澤 「あんな食事代、全額俺のおごりに決まっているだろう?」


亜友 「いくら食べたの?」

岡澤 「2人で2万3千円。久我山のアパート1ヶ月分の家賃と同額だぞ、ゴルァ


亜友 「身の丈に合わない食事?」

岡澤 「隣の大地亭が満席で、仕方なかった。ホテルに行っていないことは預金残高を見ろ


岡澤 「俺と1度でも寝た女がいるなら、小笠原に行く前にその女の家に行くわ。バカヤロウ」