<<解説>> by 岡澤代祐
証言台での、反訴被告(本訴原告)=岡澤の証言。
「消印から判断して、亜友・父が送ってきたものだと思っていた」のは、非常識だ。
「本当は原告のお前が偽造したんだろう?」と、
反訴原告(本訴被告)=学園側のH弁護士は、証拠を並べて岡澤の矛盾を突き始めた。
しかし、H弁護士の予想通りの展開ではなかった。
岡澤は、契約書の正当性をあっさりと「損切り」して、それが偽物だったことを認めた。
弁護 「それでは、この契約書はデタラメではないのですか?」
岡澤 「はい。私は今では、この契約書はデタラメだったと思っております」
弁護 「もう一度、お願いできるかな」
岡澤 「はい。私は今では、この契約書はデタラメだったと思っております」
弁護 「語尾が大事だからね。最後、何て言ったかな」
岡澤 「私は今では、この契約書はデタラメだったと考えております」
弁護 「えーと、もう一回」
岡澤 「私は今では、この契約書はデタラメだったと考えています」
いい加減に諦めろよとか思いながら、
裁判官も特に制止しないので、4回も同じことを言わされた記憶がある。
つまり、もしも岡澤が偽造したのなら、
「我ながらデタラメだ」と思うような契約書で、少額訴訟を起こした理由が分からない。
少額訴訟を起こした理由は、既に裁判官に、
「1つめは、殺人にしても婚約にしても、地裁での証拠調べに耐えうるものでなかった」
「2つめは、当時の私が簡易裁判所で扱う事件は、少額訴訟のみだと思っていた」
と弁解している。
公平な立場の裁判官はこれ以上何も言えず、
学園側代理人のH弁護士に、岡澤を尋問させて真相を確かめようとしたのだろう。
証人尋問に集中するH弁護士にはともかく、
裁判官の目には、傍聴席の後部で高みの見物をしている父親と、祈っている娘が見える。
裁判官が、H弁護士を制止する仕草があり、
H弁護士も、「君らには周知の事実でも、私は何も知らないんだ」と、質問を変えた。
岡澤も、この弁護士発言を疑問に思ったが、
証言台に座って証言する自分の背後で、亜友・父娘の人間ドラマがあったなど想像しない。
−裁判官は、傍聴席で祈っていた亜友を思い出した−
H先生。
止めましょう。
傍聴席の様子から判断して、
「彼女の父親に騙された」とする原告の主張を否定できません。
H弁護士 −お前ら、どういう家族なんだよ−
小川三四郎探偵事務所
代表取締役社長 岡澤代祐
sanshiro@sastik.com
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