<<解説>>
2005年に作った黄色い冊子。
まず探偵社は、冊子の発行日の●織ちゃんの誕生日(=○織の誕生日)に気付く。
当日、小さな花束も受け取ったという。
そんな彼女の前で、ここまで分かりやすく昔の恋人を思い出している男も珍しい。
●織ちゃんは、亜友の物語を言っている。
・・・・・・というのが、2011.1.5. の推理だった。
2011.3.23. に、「岡澤の無責任発言説」が誕生した。
<<シナリオ>>
●織 「岡澤さんは、いつまでこんな生活を続けているんですか!」
岡澤 「どんなに君に怒られても、この生活を止める気にはならないと思うよ」
●織 「誰に言われたら、止めるんですか? 亜友さんですか?」
岡澤 「いや、亜友に言われても止めないだろうな。玲奈ちゃんくらいかな」
●織 「どこにいるんですか?」
岡澤 「どこかな。中学1年の時に引っ越してから、音信不通なんだ」
そんな折に、岡澤が黄色い冊子を作ったから、
●織ちゃんはそれを持って、「玲奈さんを探して岡澤さんを止めて!」と探偵に。
もしも、ぼくが嘘を吐いていたら有罪なのだが、
単に記憶喪失したせいで、「天国にいる」が「音信不通」になった不可抗力である。
ただ、ぼく自身はこの会話を覚えていない。
だが、2005年当時のぼくが言いそうな科白のストライク・ゾーンである。
探偵は、調査中「偶然に」玲奈ちゃんの死を知ったのでなく、
この流れなら、最初からピンポイントで玲奈ちゃんの死を知ったことになる。
それで、「元カノの現住所探し」気分だった探偵は、
探偵 「この冊子は遺書だ! 彼は、最愛の恋人に殉死しようとしている!」
それで、岡澤の思い出のH嬢を探し出し、
岡澤が殉死を計画したタイミングで飛び込ませようと、パソコン前にスタンバイさせておく。
岡澤の、メールチェックの習慣は調査済み。
すると最後の晩餐という予想通りに、2005.11.13. 岡澤は下北沢の馴染みの Bar に向かう。
11.14. 岡澤は渋谷で「刑事訴訟法」を購入。
東大駒場の正門で、「さよなら東大」と言って、井の頭線に向かおうとしてふと気付く。
岡澤 「もしかしたら、●織ちゃんが、引き止めるメールを・・・」
情けないと思いつつ、情報棟に引き返す。
見ると、明らかな広告メールが1通と、出会い系臭の「お久しぶりです。」メールが1時間前に。
人生最後のメールチェックと思い、開くと、
「お久しぶりです。公文学園4期生の○愛○加です。お元気ですか?」の文面。
−岡澤代祐、この後1時間ほど、涙が止まらなくなる−
だってH嬢は、「南極の空高く」の半年後に転校して、7年間音信不通の、憧れだった女の子。
2011年になって、思い返してみると、
以上のような筋書きが復元されましたが、合っていますよね探偵社の皆さん?
当時は、こんな筋書き思いもよらず、
不思議に思ってH嬢を逆探知したせいで、H嬢からも●織ちゃんからも叱られて・・・・・・
「だから数学者は病気!」って怒鳴るけど、
●織ちゃん、君はこういう理由で、岡澤の命の恩人なのですよ。分かります?
「別れさせ工作は、トラブルの原因」だと、様々に警告されるが、
「別れさせ工作屋が警察より有能な仕事をした」リーディング・ケースを作ったわけだ。
上記の物語を解明したのは、2011.1.4. である。
だが、別にこの日に急に思いついたわけでも、この日まで考え続けていたわけでもない。
数学オリンピックでは良くある話だが、
「考えれば難しくなく解けるはず」と思っていたから、推理の練習問題にしただけである。
余談だが、H嬢探しで分かったこと。
1 奴の兄貴は、「南極の空高く」のラブレターの存在を知っていた。
2 奴は、イグアナ(∈ 爬虫類)が好きらしい。
3 奴は大学に進学せず、音楽を仕事にして、22歳にして結婚もして子どもがいた。
うん。世の中には、知らない方が幸せなことも多いものだと。
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