点数計算の本質論 −オルフェウス教麻雀 面接官 「東京大学の理学部数学科で、何を勉強してきましたか?」 数学者 「『非数学者の知能は大したこと無い』と、教わってきました」 ・点数計算と美しい日本語 30符1飜=30 × 23 (子のツモ・子の支払い) 30符1飜=30 × 24 (子のツモ・親の支払い) 30符1飜=30 × 24 (親のツモ) 30符1飜=30 × 25 (子のロン) 最近は、丸暗記する人が多いですよね。 学力低下とか、ゆとり教育の影響が麻雀にも出てきたのでしょうか。 ああ、文科省は麻雀より「サッカーくじ」推奨だから、別にいいのか。 なぜ、これが美しい日本語なのかというと、 日本語の数詞には倍数表現が母音の変化として現れるという話です。 「ひとつ ・ ふたつ」 「みっつ ・ むっつ」 「よっつ ・ やっつ」 卒業前の、数学科最後の授業です。 オルフェウス教的なこじつけの匂いがプンプンしますが、事実は事実です。 織田先生は、そういう意味で言ったのではないでしょうが、 岡澤の耳には、「それで麻雀の符計算は倍数表現なのか」と聞こえたとか。 師に対しても容赦のないユーモアセンスですが、 「八」を有り難がる風習もありますし、意外に無関係じゃないのかも。 ・スパコンは桁落ちに泣く ふと、2011.2.7. の発見です。 スパコンが桁落ちに泣くのは、「有理数の切断」とトレード・オフの関係だと。 有力な実数の定義が他にない以上、 スーパーコンピュータは、桁落ちに泣くことを運命づけられているというわけです。 面白い話を1つすると、 3次方程式にも解の公式があると、数学の得意な高校生なら知っています。 2005年の正月に気付いたのですが、 例えば (2+i)の三乗根 + (2−i)の三乗根 のような場合。 今思うと、三体問題の正三角解にも思えます。 でも、確かに解の公式ですが、これで「解けた」と言い張るのはどうよ? 等しいものを「等しい」というのは、意外に手間がかかると。 ・ケーキと指輪の問題 高校3年の頃に考えた問題。 「7個の指輪が入ったケーキを切ったら、最多の人の指輪はいくつ?」 仮に、2つに切るとしましょう。 <<考え方A>> −指輪の存在確率を、左右のケーキで公平にする理論− 「7−0」 ・・・ 1 「6−1」 ・・・ 7 「5−2」 ・・・ 21 「4−3」 ・・・ 35 「3−4」 ・・・ 35 「2−5」 ・・・ 21 「1−6」 ・・・ 7 「0−7」 ・・・ 1 7×1/64 +6×7/64 +5×21/64 +4×35/64 = 147/32 = 4.59375 多い方の人には、4.6個くらいの指輪が入っています。 <<考え方B>> −全ての可能性が平等に発生する理論− 「7−0」 ・・・ 1 「6−1」 ・・・ 1 「5−2」 ・・・ 1 「4−3」 ・・・ 1 「3−4」 ・・・ 1 「2−5」 ・・・ 1 「1−6」 ・・・ 1 「0−7」 ・・・ 1 多い方の人には、5.5個くらいの指輪が入っています。 この問題では、ケーキの製造過程には触れていません。 ですが、常識的に考えれば、<<考え方B>>の不平等ケーキは難しそうです。 普通に作れば、そこまで不平等は発生しないはずです。 実際には、今は指輪は7つだから、格差も大したことはありません。 では、指輪を99個にするとどうなるか。 <<考え方A>>・・・多い方の人は54個ほど、少ない方の人は45個ほど。 <<考え方B>>・・・多い方の人は75個ほど、少ない方の人は24個ほど。 標準偏差という考え方は、Aの発想です。 指輪が99個のときの標準偏差は約5個で、上の結論に近いと言えます。 問題は、ケーキの作り方なんです。 以下で、<<考え方B>>を実現するようなケーキの作り方を見てみましょう。 ・不平等ケーキの作り方 丸いケーキの右半分と左半分を、別の人が作ります。 右半分を作る人は、中心から見て等間隔の扇形になるように指輪を入れます。 下図=<<惚気の象徴のようなケーキ>> ![]() いろいろな意味で不平等そうなケーキですが、 このケーキを回転させ、止まったところで半分にナイフを入れます。 すると、<<考え方B>>の確率が実現します。 上図の場合は、「5−0」も「2−3」も、等確率で発生するわけです。 99個の指輪が入っている場合、 公平かつ最も不平等に、勝者は平均して75個の指輪を手に入れます。 こんな不平等を神様が許すのかというと、 今のケーキは夫婦間の染色体の組み替えモデルだといえば納得しますか。 仮に人間の染色体が一対だけだとしたら、 <<考え方B>>に基づいて、染色体組み替えの格差が酷いものになっていたでしょう。 幸い人間の染色体は二十三対も存在するため、 兄弟姉妹間にも、それほど大きな格差は生じないような平等現象が起きています。 で、これで麻雀と何の関係があるか。 上のケーキに136枚の雀牌を入れて、4つに切って下さい。 一見して公平なルールながら、 最も不平等な方法で牌を分けているから戦略が生まれるわけですね。 ・宝くじのエルゴード性 最初に、学問的な説明をしておくと、 微視的状況において、時間平均と場所平均が一致する性質のことです。 日常的には、確率の等方性と似ていて、 これは、「宝くじ売り場には、当たりやすい店なんて存在しない」理屈です。 例えば、小学生の同級生の夕食調査。 「うちは一昨日カレーだった」とか、時間平均と場所平均の距離が近いです。 日常にエルゴード性を持ち込むなら、 「運の善し悪しはつきもので、生涯を平均すれば平等だ」という話です。 実際には、身近な落とし穴があります。 宝くじの損益収支を考えると、生涯平均と人口平均は距離が離れています。 1億当たれば、普通はクジで赤字にはなりません。 生涯で2億円クジを買い1億当てる(*1)のが、「生涯平均=人口平均」です。 生涯に一度あるかないかの、人生の分岐点。 理屈から言うと、「人生の荒波の標準偏差」がこの分岐点1つです。 正規分布に従うと、7割の人が分岐点0です。 その一方で、約1割の人には2度以上の分岐点が訪れるという計算です。 随分と真実味があるのですが、誰か否定して下さい(*2)。 (*1)・・・・・・かなり昔のデータです。 (*2)・・・・・・数学板の住人は何と言うでしょう。 ・パスカルの三角形 ![]() パスカルの三角形の開始部分です。 操作は、両端の数字を合計して下に書くだけの単純作業です。 パスカルの三角形と睨めっこ。 30分以内に、いったい幾つの規則性を発見することができましたか? 古代ギリシャの、IQテストです(*1)。 方法論が、現代心理学のIQテストにそっくりだと思いませんか? 日本では、mCn という表記が一般的です。
ぼくが受けた印象で、両者の定義は少し違うと思います。 mCn は、 (1+χ)m の、χn 係数という定義。
χ1=χ2=・・・=χmを代入するだけで、 両者の値に本質的な違いがないことが、容易に見て取れます。 でも、mCn なんて、二項定理の係数で組合せを論じるようなものでしょう? ねえ、秋山仁先生(*2)。ピーター・フランクル先生。 その辺のところ、世界の組合せ論数学者はどう考えているのでしょうねえ。 (*1)・・・・・・無論、冗談です。 (*2)・・・・・・秋山先生の一番弟子が綿貫先生。綿貫先生の一番弟子が岡澤。 ・すうがく博物誌 岡澤の方法で組合せを定義すると、 χ1=χ2=・・・=χmを代入するだけで、 二項定理を得ます。
森毅先生の「すうがく博物誌」。 「最初のリンゴはいいとして、+1のリンゴはどこから持ってくるんですか?」 確か、足し算か何かの説明です。 1995年の入院中に読んだだけの本なので、少々記憶違いがあるかもしれません。 要するに、+1は正体不明のリンゴです。 だから、(1+χ1)(1+χ2)・・・(1+χm) という表記になってしまいます。 ところが、リンゴは全て合同です。 だから、χ1=χ2=・・・=χm を代入しても構わないわけです。 以上、二項定理の、心理学的説明を終えます。 数学的証明で説得するよりも、心理学的説明で納得させた方が良心的です。 これで、足し算によって定義された三角形が、 何故か、掛け算と割り算のみによって表現されるという事実が説明されました。 これは、論理学的必然なんです。 足し算で定義されたパスカルの三角形を足し算で説明したら、同語反復です。 加法だけの整数論の、必然です。 天才ラマヌジャンは、この原理を見抜いて、証明を同語反復だと思ったのでしょう。 ということは、整数論の天才は、 パスカルの三角形を見て規則性に気付き、同語反復を避けて理屈を説明する。 先の、IQテストの理屈でゆくと、 パスカルの三角形を眺めて規則性に気付く才能は、そもそもが知能指数の定義です。 それは、天才の定義ですよね。 つまり整数論の天才という言葉は、それ自体同語反復の要素を含んでいるようです。 だから、整数論は難しいんです。 ・繰り上がりの真実 2008年3月に数学科を卒業してから、この記事は2009年の7月。 2010年秋以降、「軽鬱」期になると、数学科の教科書を引っ張り出します。 アマチュア数学者気取りの以下の発見ですが、 有限群論では重要な、シローの定理の証明と本質的には同じと知りました。 やっぱり整数論は、パスカルの三角形の知能検査で、 代数系を用いた現代整数論も、初等整数論を越えることはないのでしょうか? パスカルの三角形で気がついたのですが、 定理 <<岡澤2009.7.4.>>
p 進法の筆算で a+b を計算した際の、繰り上がりの回数と等しい。 □ 系 <<岡澤2009.7.5.>> (本定理より使いやすい)
p 進法の筆算で b-a を計算する際に必要な、繰り下がりの桁数に等しい。 □ 小学1年生で習った、あの「繰り上がり」です。 今まで、この事実を指摘した本を見た覚えがないのですが。 小学1年生の授業なんか、忘れてしまったのでしょうか。 2011.2.21. 昔買った本を読んでいたところ、 ぼくが発見した定理と同じ statement があるのを発見しました。 「二項係数を割りきるpの最高冪乗を決定するのに(中略)Kummer の結果を解説する」 3、2、1、ハイ 「第一発見者・・・・・・ Kummmer かよ!」 引用は、共立出版「素数の世界」 Paulo Ribenboim 著の吾郷先生訳ですが、 買ったのは中学2年の春−1997年−なので、最近見かけるものではなく旧版の方です。 当時は、ちょっと難しすぎたことが一つと、 数学の授業中に、前の席にトンデモナイ女の子が座っていて、いろいろ大変でね。 −そうか、ぼくの知能は Kummer に匹敵するのか、「なら政権くらい崩壊して当然だよ」− 系 <<岡澤2009.7.5.>> パスカルの三角形は素因数分解で、p 進数の足し算繰り上がり一覧表になる。 □ 加法で定義されたパスカルの三角形。 「図と地」を統合できない人類には、基数+基数の発想ができないんです。 パスカルの三角形における基数は、頂点の「1」だけ。 残りは全て、「1」×序数×序数×・・・・・・ という形で認識するわけです。 すると、乗法の本質は、「繰り上がりの一括処理」と言えるわけで、 代数の本質を加法と乗法に求める発想が、整数論を不可解にしたともいえます。 別の箇所に書きましたが、 「計算をする前に繰り上がりを予測することはできず、また予測したら数学でない」 一方で、「対数は天文学者の寿命を延ばした」 整数論の本質は、対数のうまい近似を発見して、繰り上がり規則を見つけること。 ああ、これはラマヌジャンの発想ですね。 一方で、アルキメデスの「てこの原理」=互除法とも繋がる。 大きな数を動かす時には、コリオリの力の近似式を求めなければテコは動かない。 三体問題の近似解。 岡澤♂を巡る、亜友♀と達弥♂の三角関係を思い出します。 ・再びギャンブルの話題 毎日新聞の感想に書いた話ですが、 ひと組14枚のタロット・カードでは、14*13*12*11/24=1001 という式が成り立ちます。 昔は、タロットとトランプが逆でした。 人々はトランプを占いに用いて、タロットを遊び事に用いていたのだと聞きます。 この式を見れば、当然の結果です。 14*13*12*11/24≒1000の近似を知らない非ピタゴラス学派は、良いカモです。 ということは、対数の近似式は、 中世以前は、整数論の研究者よりも博徒の方が血眼になって探したはずです。 タロットとトランプの逆転現象。 要するに政府が、「14*13*12*11/24=1001」の近似式の使用を禁じたのでしょう。 オルフェウス教ピタゴラス学派。 「数には魂がある」の本質は、「美しい近似を知っていると博奕で家が建つ」から。 ああ、そりゃ数の魂だわ。 ちなみに、麻雀も14枚です。 数学的に戦略を立てるには、14枚という数字は近似がしやすいのでしょうか。 冒頭に書いた、倍々計算。 上手な対数の近似式を発見すれば、一生遊んで暮らすのには苦労しないでしょう。 岡澤・父の打ち方を見る限り、 その程度の近似式を無意識に使えるようになれば、素人は全てカモなのでしょう。 ネット麻雀の四人対戦で、 「親で勝つ」宣言をして、ドベから、9本場の一人勝ちまで行って終える人です。 近所の雀荘からは、「入店を遠慮して欲しい」と言われているそうで。 可哀想な教師が、その息子に喧嘩を売り、 音信不通の亜友との恋が何年続くか賭けをして、9年続いて学校がハコテン。 いや、引き際を間違えた奴が悪い。 掛け金が年900%のインフレ状態だと、あっさり国家予算を動かすんです。 新たな時代のギャンブル。 中世以前のピタゴラス学派の時代というか、数学者独裁の時代の再来です。 経済学は本質的に大間違い。 博打という娯楽が存在する限り、金は価値の尺度ではなく、ただ金に過ぎない。 すると、数学者の賭博は正当化される。 経済学者から掛け金を搾り取ることで、資本主義者の増殖を防いでいた。 「お前らの理論なんて、大したことないんだよ」、と。 法律家の台頭で、高い知能は二分化し、一方は数学者に、残りは裏社会に。 このウェブサイトが、世間の注目を浴びた場合、 潜在する高い知能の持ち主が、一瞬で資本主義を食い尽くすんだろうなあ。 公営カジノが出来れば、ああ、架空請求は減るのか。 裏社会の高い知能が、一般客に夢を与える仕事をしつつ、資本主義が朽ちてゆく。 (続く) ![]()
東京大学理学部数学科
岡澤代祐 sanshiro@sastik.com | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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