<<議題>>
「電子レンジで水の栄養素が分解する」という説は電波か?
<<考察>>
祖父から初めてその話を聞いたとき、「電波だ!」と思った。
そもそも水の中の栄養素って何だよ?という疑問で、話が繋がらない。
この発言の解釈を巡り、学説はおよそ3ヶ月の間、対立していた。
仮説@ 水道水に含まれる塩素が発ガン性物質に変化する。(少数有力説)
仮説A 電波だ!(多数説・通説)
しかし、最近(2008.2月頃)になって提案された新説が、支持を集めている。
仮説B 電子レンジで分解するのは、栄養素ではなく水素結合ではないのか?
水は、H2O分子による液体だが、
実際には水素結合により巨大分子の構造を呈している。
この水素結合と、水中の金属イオンが、硬水・軟水と呼ばれる原因だったと思う。
電子レンジの加熱には、マイクロ波の振動数との共鳴が利用されている。
そう考えると、電子レンジによる加熱が水素結合を破壊するのは十分にあり得る。
一方、「料理のわざを科学する」(Peter Barham著 2003丸善)P.44によると、
「水よりも湯の方が早く凍る」(*1)
というにわかには信じがたい事実が報告されている。
第一発見者がアフリカの男子高校生。加熱方法は何だろう。
ぼくの専門分野ではなく、大学2年の秋に上記の本で得た知識であり、実験はしたことがない。
硬水・軟水も影響するだろうか。
珈琲を淹れるための知識が、とんでもないところで役に立った。
ムベンパ効果と呼ばれるらしいが、
実験者によって結論がまちまちで、科学とは言えないという話だ。
だが、それは普遍性を売りにする西洋科学の話で、
むしろ東洋科学(*2)では、お湯を水より早く凍らせる技術は大切にされるはずである。
むしろ、針灸や、接骨院では、
温湿布の方が凍りやすい秘伝の技術とか、有り難がられていそうである。
そういう技術は、科学の対象なんてとんでもない。
岡澤家の催眠じゃないが、代々家に伝わる門外不出の技術だから、価値があるのである。
それをあえて発表して、知的財産権を主張し、
対価として金を取ろうという西洋科学の発想の方が、はるかに不健全だと思うのだ。
ああ、そう言えば数学科の計算機科学の授業で、
回文作成プログラム「数学ガウス」に優をくれた一井信吾先生の話にも似ている。
オープン・ソース・ソフトウェアの開発である。
仮説Bは、さらに真実の解明に迫る。
水素結合が破壊されれば、水の反磁性に影響が出るのではないか?
水の反磁性は、体内で重要な役割を演じる。
体内のタンパク質合成速度や、DNAの転写速度に影響は出ないのだろうか。
ちなみに、神奈川県にちょっと問い合わせたところ、
「そのようなデータは持ち合わせていない」とのことだった。
電子レンジによる水の加熱 → 水中の水素結合への影響 →
水の反磁性への影響 → 健康への影響
少なくとも東京大学理学部数学科卒程度のぼくの知識では、否定できない。
が、特に専門分野でもなく、冷凍食品を食べる機会も減ったので放置してある。
大して難しい話ではないが、物理・化学・生物のトライアスロンである。
その他、電子レンジに関する個人的な疑問としては、以下のものがある。
・小麦粉に水と重曹を混ぜて加熱すると、刺激味がするのは何故か?
・紙と墨汁を加熱すると発煙するのは、デフォルトの設定なのか?
マイクロ波照射下では、NaHCO3が、NaOH化するのだろうか。
基本的なことを書き忘れたが、
電子レンジは、米軍の通信兵のポケットで、チョコレートが溶けたのが出発点。
ところが、その加熱原理については、
科学的に計算式を記述した書籍を、岡澤は今まで見つけたことがないのである。
「水分子の固有振動数」とも言えば、
あいまいに、「極性が原因」程度で済ます本もあって、計算式は見たことがない。
共鳴現象で、電磁エネルギーが熱に。
磁場の振動が出てくるが、これはゼーマン効果を持ち出すほどの話なの?
すると、波動方程式の問題だが、
波動方程式を厳密に解説している本に出会ったことがないのが、疑問だった。
そこで、数学的に単純な理屈で、
「そもそも水分子の波動方程式って、厳密には解けないんじゃないの?」
すると、神奈川県の回答は当然で、
「電子レンジの有害性は、数学的には証明が不可能な問題なんです」かと。
なるほど、それなら仕方がない。
厚生労働省がいくら予算を取ったところで、この問題には結論を出せないのだ。
すると、電子レンジ問題に関しては、
「電子レンジは有害だが、不確定性原理があるから厳密には結論できない」
そうか、フタを開けるまで分からないのか。
ああっ、ネコを加熱したというブラック・ジョークの元ネタは、量子力学?
つまり、ユーモア交じりの物理学者の解説を、
加熱原理のユーモアだと理解できなかったどっかのバカが、本当に実験したわけだ。
あるいは、物理学者のユーモア注意書きか。
すると、新事実に気付くのである。
波動方程式が解けない以上、ほぼ全ての化合物は、法律的に厳密に定義できない。
つまり、作用は統計的にしか分からず、
「絶対に発癌性がある」化学物質なんて、この世に存在しないわけだ。
一般人は、量子力学で食品添加物を語れない。
量子力学も経済も同じ数式なんだから、「均衡点」で法規制しているだけに過ぎない。
さらに、プラシーボ効果もあって、
発癌物質と思って食べた人と、安心して食べた人の間では結果に有意差があるはず。
(*1)・・・・・・2008年の夏、NHKの番組が報道して、問題になったらしい。
(*2)・・・・・・以下のページをを参照。04todai.html(←リンク)
<<議題 2>>
どうして毒は薬にもなるのか?
<<考察>>
数学者の回答 : 水にも、油にも良く溶けるからです。
高僧を思わせる漠然とした答えだが、
確かに、水溶性かつ脂溶性で、分子量が小さくないと、細胞内には入れない。
確かに、典型例はアルコールである。
昨年末、親父がハワイ旅行に当選し、
そんな訳の分からない理由で、5日ほど妹と2人暮らしをしている。
9月上旬に解明した没食子酸エチル。
それで調子に乗って、親のいぬ間にエステルの合成実験をしたわけである。
理論上は、珈琲とバターで合成洗剤ができる。
確かにフライパンで微妙に泡が見え始めたが、これは洗剤ではなく料理だろう?
そう考えると、急にモチベーションが低下した。
言われてみるとこの泡立ちは、スフレの原理に近いわけであり、意外ではない。
だが、食品添加物に界面活性剤は聞かない。
何故だろうと考えてみると、水にも油にも溶ける物質は、単純に消化に悪そうである。
主婦 「水と油は混ざらないから洗い物が大変だわ」
数学者 「いえ、むしろ水と油が混ざったような料理を食べたら体に悪いです」
なるほど。ぼくも発癌性物質はいくつか知っている。
確かに、水にも油にも良く溶けて、分子量がそれほど大きくないものばかり。
どうして、お前らは毒ばっか食っているんだよと、
「水と油が混ざったようなジューシーな料理じゃないと、女の子に嫌われるんです」
つまり、一つ一つの毒性は大したことがなくても、
毎日毎日、水にも油にも溶けるようなものばっかり食べているから、癌で死ぬのだと。
子どもは、苦いものが嫌いだ。
有毒なアルカロイド類は苦いので、子どもが口に入れないように進化した結果という。
逆に考えると、大人が苦いものを美味というのは、
「俺様は頭が良いから、この食べ物が有毒ではないと知っている」と自慢しているだけ?
経済学の頁でフグ食の神話を書いたが、
フグの旨味は、白身の中に微量に含まれている猛毒テトロドトキシンだと言われている。
韓国では安物のフグを日本人が珍重するのは、
「頭が良い日本人は、韓国人と違ってフグが食えることを知っている」という反韓感情?
つまり、先進国の大人が毒物風味を好むのは、
パプア・ニューギニアで成人の通過儀礼として、バンジージャンプをするようなもの?
なるほど、確かに彼らの料理を食べてみると、
通過儀礼がバンジージャンプだから、料理そのものは栄養だけで、非常に素朴な味である。
逆に、先進国の子はハンバーグ好きが多いが、
ハンバーグ好きに育てておかないと、通過儀礼としてピーマンを食べさせる際に親が苦労する。
ああ。だから、ハンバーグなのか。
水と油を混ぜたような食い物じゃないと、ピーマンを混ぜたら子どもに気付かれる。
そうか、「美味しんぼ」風に言うと、
水と油が混ざっているからこそ、「まったりとして、それでいて」の味になる。
ピーマンはフランス語、ドイツ語でパプリカ。
先進国では、そういう無駄知識をひけらかすことでしか大人扱いしてもらえないのである。
ああ、さらに分かった。
我が家の通過儀礼は小脳出血による心肺停止だから、比べるだけ野暮なんだ。
<<議題 3>>
地球温暖化の原因物質は何か?
<<考察>>
「え、二酸化炭素じゃないの?」という話だが、
「それは政治的言論で、たぶん二酸化炭素ではないだろう」という、2003年頃の結論。
1 二酸化炭素放出量の急増は、実は300年前の産業革命時よりも、10000年前の農耕開始時。
2 南極の氷が解けた結果、氷中の二酸化炭素が放出された。温暖化の結果であり、原因ではない。
3 化学科の教授も「二酸化炭素は被害者です」と言っていた。
「2」と「3」は東大教授の意見だから、東大に落ちた人は地球温暖化の原因物質を習わない?
原因物質は不明だが、とにかく工業製品関連である。
とりあえず二酸化炭素排出量を減らせば、原因物質の排出も減るだろうという話。
化石燃料中の化学物質なら、もっと早く見つかっても良い。
例えば、「石炭を燃やしたときに出る遠赤外線で何かが化学変化を起こした」場合はどうか。
遠赤外線では、有害物質までは作れないか。
より一般に、人類が高温の熱源を使用するようになったせいで、高エネルギーの電磁波が出た。
あ、ああ、ぼくの専門分野ではないが、
ここまで問題を抽象化すると、1つくらい正解していそうな気になる。
それで最近、「理系の人々」を読んで。
「電化製品の後ろの匂いはオゾン」なら納得できるが、なら温暖化の原因はオゾンじゃない?
・ オゾンは、空気中の酸素が紫外線を吸収して発生する、有毒な温暖化原因物質。
これが、光化学スモッグと呼ばれる大気汚染で、
オゾン層というのは単純に、地上で発生する代わりに成層圏で発生している大気汚染に過ぎない。
つまり、成層圏で大気汚染がなくなると、
地表付近で大気汚染が発生するから、人間にとっての環境問題になるというだけに過ぎない。
まあ、オゾンが温暖化の犯人かはさておき。
すると昔、冷蔵庫にフロンが使われた理由には、
電線付近で発生したオゾンを分解するので、他の物質に比べ食品が長持ちする裏事情が?
ならオゾン層の破壊って、マッチポンプじゃん。
なら、健康によいと人気の不飽和脂肪酸。
電化製品の近くに置いておくとオゾン分解で有害物質が発生し、かえって健康に悪い。
付記 : この推論が正しいと、原子力発電の重要なメリットが消える。
この憶測が正しいと仮定すると、
二酸化炭素で地球温暖化ではなく、原発利権で世界がヒートアップしているだけである。
そんな思いつきを書いたのが5日の月曜日。
不思議なことに、土曜日には就任9日目にして、経産相が舌禍問題で辞任した。
<<議題 4>>
ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸とは何か?
<<考察>>
南蛮屋の甘酒の話で、気付いたのである。
「貴女の皮膚の黒ずみは、甘酒が変色するのと同じメイラード反応だ」ということに。
科学を知らない人は、科学を万能と信じるが、
メイラード反応の中間生成物のような微妙な化合物は、少なくとも現代の科学では無理だ。
食品成分表には載っていない。
焼きたてパンから30分以内に消滅する化合物は、さすがに測定できないわけだろう。
すると、逆転の発想で、
そういう微妙な化合物のうち、現代の科学でも手に入るのが主にこの2つというだけ。
メイラード反応は、自己触媒反応だから、
その微妙な中間生成物を塗っておけば、皮膚をその状態に保つことができるのだろう。
なら、「ヒアルロン酸万歳」かというと、
たぶん毎朝焼きたてのパンや、作りたての食事を食べればヒアルロン酸は必要ない。
だって、ただのメイラード反応。
肌のツヤの良い社長令嬢が食べている「良い食事」は、素材ではなく作ってからの時間だ。
メイラード反応の微妙な中間生成物は、
最先端のナノテクノロジーを使っても、どうにもならない程に微妙な化合物のはずだから。
まあ、全く方法がないわけでもないが、
核スピンを使うくらいなら、コンビニ弁当とヒアルロン酸で我慢した方が幸せかも知れない。
それに、これは分解速度の問題。
「食事は作りたてを皆で一緒に食べましょう」は、科学ではなく「しつけ」の問題である。
つまり、そもそも育ちの悪い人は、
「連絡もなしに帰りが遅くて冷めちゃったんだから、ヒアルロン酸でも飲んで我慢しなさい」と。
たぶん、癌というのはこの辺の問題。
GH−成長ホルモン−は有用だが、人工合成すると発癌性がある謎も解決されていない。
焦げたパンで癌になるという噂もある。
「焼きたてパンから30分以内に消滅する問題」を知らないで大人になると、癌で死ぬのだ。
最近、考えたことを追記すると、
脳内麻薬は有用だが、人工合成すると法律上問題になって警察に逮捕される。
「それは当然よ」と言われそうだが、
「麻薬成分を皮膚に塗りつけるのが最高の化粧品」という事実が見つかったら、どうする?
厚労省も、化粧品の成分まで検査するかな?
「麻薬・向精神薬作用のある天然成分」を含んだ化粧品が、ないとは言い切れない。
食塩だって、致死量は200g くらいと言われる。 −普通は途中で吐く−
どんな化学物質も、多量に摂取すれば何かある。
ボツリヌス毒素が美容外科で使われていることを思えば、麻薬・向精神薬も意外ではない。
実際、化粧水や香水に普通はアルコールも入っていて、
アルデヒド分解酵素を持っていない人は、化粧品疲れや香水疲れをするんじゃないかなと思う。
すると、単純な結論を得る。
薬物耐性の低い人の場合は、どんなに無理しても花の寿命は短い。姐さんにはなれない。
<<議題 5>>
目薬は惚れ薬になるのか?
<<考察>>
目薬は惚れ薬になるという噂があり、
その昔、夕刊フジの「夜の法律相談」に、バレて殴られたという話があった。
噂も、すぐに下火になったようだが、
「目薬は惚れ薬」説は、どうも科学的に真実のようだと判明したので、ここに書く。
実は、惚れ薬にも二種類あって、
@ 催淫作用のある薬
A デート・レイプ用の睡眠薬
が、世間に流通している代表的な「惚れ薬」の分類である。
健全な頭脳を持った人なら分かるが、
どちらも「惚れ薬」とは意味が違うのは明らかで、違法性が高い。
ただ、真の惚れ薬がないとは言わない。
釣り橋効果や、ストックホルム症候群を、薬で再現する方法があるから。
まあ、違法には違いない。
そこで、肝心の目薬なのだが、
世の中には、確かにAのデート・レイプ用の目薬が、あるらしい。
有効成分は、スコポラミン。
日本の眼科医が処方しているのかは不明だが、薬用で手に入る物質だ。
米国のレイプ事件で使用され、
被害者は4日間の記憶が無く、7人の異なる精液が検出されたという。
スーパー・フリー事件を思い出す。
目薬を使わなくても、ポーランド産のウォッカで代用できるわけだが。
抗コリン作用薬なのだが、
噂を流した側も、噂を拾った側も、ただの「目薬」と思っただろう。
さすがに、効果はないだろう。
咳止め薬を一気飲みすると、コデインの効果でトリップした時代とは違う。
念のため、注意をしておくと、
大麻の成分であるコデインは、今は使われていないので、試さないように。
悪い男に注意しろと言いたいところだが、
亜友を、人工知能の理論の実験台にした者としては、耳が痛い話で・・・。
カナダの化学者の本で読んだのだが、
日本では「目薬が惚れ薬になる」という噂になったとは、思わないだろうなあ。
なお、ぼくは夕刊フジで読んだのではなく、
神保町の書泉グランデの法律コーナーで、単行本を立ち読みしただけです。
浪人中の話だから、2002年夏の記憶です。
この時期に立ち読みした「裁判長 ここは懲役4年でどうすか?」は、映画化?
それと、新しい議題を設定するまでもない話。
つい最近、「コーラは骨を溶かす」と本気で話している人たちに驚いた。
しかも、「炭酸が原因だ」と結論していた。
その結論に至るまでに、「酸性・アルカリ性食品」の議論が本気で出てきた。
ええとですね、100 %嘘と言い切れないのは、
コーラ等を飲んですぐ寝ると、歯が溶ける酸蝕歯の問題があるからです。
でも、それは歯磨きの常識的な問題であって、
1980 年代にいろいろ言われた、「コーラは骨を溶かす」とはまったく別の話だ。
しかも、1980 年代の議論にも元ネタがあり、
「コーラが骨を溶かす」説は、コーラに炭酸が入る前の米国のキャンペーン。
「昔はコーラに炭酸が入っていなかった?」
ええ、コカ・コーラとは、コカの実とコーラの実で作ったジュースに過ぎなかった。
コカの実=コカインの刺激を楽しむジュース。
だから、米国の薬物規制派が「コカ・コーラは骨を溶かす」とキャンペーンを張った。
それで、製造業者は抗議を受け入れて、
コカインの刺激の代わりに、ジュースに炭酸の刺激を加えることにしたという流れ。
これは、禁酒法時代と同じ発想で、
酒が禁止されたから、炭酸飲料の Dr.Pepper やルート・ビアが流通したのだと。
ちなみに、この Dr.Pepper は、
世界で初めて人工的に炭酸が加えられた、炭酸飲料として現在も愛好者がいるわけで。
そして、問題のコカ・コーラ社は、
1980年代まで、コーラの実を使っていたが、コスト削減のために人工添加物にかえた。
すると、コーラの歴史を知る米国民は、
「コーラの実の方にも、実は薬物が含まれていたんじゃないか」という噂を始めたと。
そういう歴史を知らない日本人には、
1980 年代の英語力では、「コーラは骨を溶かすんだって!」という噂に繋がったと。
酒と法律の複雑な関係は他にもあって、
イギリスとスコットランドの対立から、密造酒のスコッチ・ウィスキーが生まれ、
税金逃れのため、濃縮して持ち込んだヤミ酒がブランデーの始まりだし、
フランスの哲学者たちが、麻薬を疑似体験するために生まれたのが、アブサン。
「浄水器のフィルターで『おいしい水』だって?」
「本当に美味しい水は、法律のフィルターから逃げ延びてきた『水』に決まっているじゃん」
−Bar 遊びに必要なことは、全て世界史の授業中に覚えた−
<<議題 6>>
原発は、死の灰をもたらすか?
<<考察>>
これも、祖父(80)の話である。
方向性は正しそうなのだが、死の灰とは放射線ではなく「ニュートリノ」という話。
小柴先生の、超新星ニュートリノ。
ニュートリノ振動の分野では、日本の物理学会は世界の最先端を行っているはずだが。
確かに、重水素を分解できる。
だが、弱い相互作用のみで観測は稀、それを発癌性と結びつけるのはどうだろう。
まあ、悪影響はあるかもしれないが、
「微量の放射線を浴びることは、体に良い」という医学的事実もあるわけだし、謎である。
そんなことを言い出した暁には、
「重力の源であるヒッグス粒子の発生を抑える、抗ヒッグス粒子ダイエット」も可能である。
国民の9割には、意味不明な議論。
それを承知で書いているぼくも悪趣味だが、それを無視して放送するマスコミも悪趣味だ。
商品の説明を理解できない消費者。
癌が国民の死因の3分の1を占めるようになった背景は、教養の欠如かもしれない。
トンデモ説を相手にする官僚も大変だ。
結論の間違いを指摘するのは簡単だが、どこを勘違いしたかを指摘する教養は、官僚にない。
公務員試験の、教養科目を見れば分かる。
家裁調査官補試験の教養択一で、半数近い人が落ちているのは何かの冗談かと思った。
40点中、ぼくは自己採点で29点だった。
祖父の、ニュートリノを思い出したのは、
Yahooニュースに、「ヒッグス粒子とダークマター」の記事が掲載されてからの話。
最先端物理学は、中学3年の頃からの宿題。
超ヒモ理論と、素粒子物理の本を続けて読んだせいで、理論が整合しないまま大人になった。
それで、再び超ヒモ理論の本を繙いてみた。
そんな折に、素粒子物理の記事がニュースになったもので、ようやく話が繋がって嬉しい。
最近、祖父はまた「死の灰」と騒いでいる。
よく聞いてみると今度はニュートリノではなく、放射性微粒子による内部被爆である。
ニュートリノが先で、放射性微粒子が後なんて、
「アンタ、原子力について何も分かっていないだろ!」というのが、正直な印象である。
<<議題 7>>
あの玄米は、なぜ腐らないのか?
<<考察>>
例によって再び祖父の話なのだが、
「炊きあげて炊飯ジャーで10日間保温したこの発芽玄米は栄養が倍になる」という。
それなら、栄養学的な大発見だが、
その前に、炊きあげて10日間保温して、腐らないだけで十分に画期的だと思う。
長○式健康法とか言うらしい。
発芽玄米に大豆と塩を混ぜて、専用の圧力鍋で炊けば永久に腐らないと言う。
この御飯が栄養満点というのだが、
この健康法の肝は栄養でなく、「御飯が腐らない」ことにあるのじゃないか?
科学的に常識的な指摘をしておくと、
青カビなり白カビなりが発生して、抗生物質の働きがあるのじゃないかと。
すると、抗生物質を食べるわけだ。
「抗生物質を食べて健康な毎日を」というのは、健康法なのだろうか。
次に、栄養が倍になる理由。
修行僧が、山菜食だけでも栄養失調にならない理由と同じでは?
科学的には、未決着の問題だが、
修行僧は、腸内細菌を消化し栄養にして、生活しているというのだ。
栄養が倍になる祖父の玄米は、
単純に白カビが生えたせいで、タンパク質含有量が増えたのではないか?
味は、そんなに悪くない。
今度、カマンベールチーズと一緒に食べて、味の違いを確かめてみようか。
白カビ説を補強する話としては、
ソムリエの田崎シンヤ氏は、米焼酎にカマンベールチーズを推薦している。
さて、また次の思いつきだが、
冷静に考えると、これはスコッチ・ウィスキーのモルティングを米に代えただけ?
なるほど、そう言われると、その通りだ。
塩を混ぜるのは、タンパク質の含有量の多さをカヴァーするためかもしれない。
待てよ。米焼酎も蒸留酒だろ。
何だか、米焼酎の研究者が失敗作を「健康によい」コピーで売り出しただけに一票。
そうか。医薬品メーカーの黄金律だ。
成功した研究は「医薬品」として売り出し、失敗した研究は「健康食品」として売る。
すると、産学連携の東大医学部としては、
「人間は健康でなければいけない」と主張する、どっかの宗教団体と仲良くしたいわけだ。
別にも少し書いてあるが、
祖父(80)は、無農薬で育てた米を、販売し、普及させる活動をしている。
祖父の主張は、大袈裟で、
「この米を食べればアレルギーも治るし、肥満にもならない」と熱っぽく語る。
環境省からは評判が良く、
農水省も、この方法の米作に補助金を出すことを決めたのがここ1〜2年のこと。
しかし、祖父の主張は?
本当に無農薬で育てた米は、アレルギーを治し、肥満を予防する効果があるのか。
すると、根拠が見つかった。
「アレルギーの免疫グロブリンEは、本来、寄生虫を攻撃する」という学説だ。
つまり、単純なことである。
無農薬で育てた米(特に玄米)には、寄生虫の類がいる可能性が高いという話。
すると、体内で何が起きるか。
寄生虫が免疫系の攻撃対象になるから、過剰反応であるアレルギーは減少する。
考えてみれば、単純な話だ。
体内に寄生虫の類を飼っていれば、肥満予防に繋がるのは火を見るより明らか。
確かに、自然本来の姿である。
しかし、清潔主義の現代人には、この理屈に拒否反応を示す人も多いはず。
ただ、皮肉の一つも言うなら、
「善玉の腸内細菌なら平気で飼う現代人」は、生物学を理解しているわけでない。
もちろん、まだ仮説の段階だ。
だが、農薬そのものが、アレルギーを引き起こすとは、特に聞いたこともない。
環境保護論者の悪いところは、
結論を信じるあまり、非科学的な理屈でも押し通そうという傾向があるところだ。
玄米食ブームがあるわけだが、
そもそも白米を食べるようになったのは、寄生虫などの問題じゃないのか?
一方では抗菌・清潔ブームで、
一方では教養の欠如により、寄生虫食ダイエットをするのは、愚かにも程がある。
ちなみに、環境保護論者の祖父の家は、
至る所にカビの匂いがして、その匂いを嗅ぐと、ものすごく感慨深い思いをする。
祖父は、以前、
「最近のコーヒー用のミルクは、石油から作られている」と、
斬新な主張でぼくを驚かせたことがある。
数ヶ月して、ようやく、
「祖父は、油という単語を植物油ではなく、石油と解釈したのだろう」と気付いた。
<<議題 8>>
水道の渦は、南半球と北半球では逆回転か?
<<考察>>
「トリビアの泉」で嘘だと紹介されたらしいが、
2009年の「夏休み子ども電話相談」では、「逆回転になる」と教えたらしい。
物理ではコリオリの力、地学では転向力と呼び、
水道の渦くらいでは、水流に働く転向力が小さすぎないかという議論なのである。
でも、小さくても力が働くのは事実であり、
「渦になっている以上は、向きは転向力で決まるのじゃない?」と考えたくはなる。
地学の教科書の説明は、見事で単純である。
「いったん渦が形成されてしまえば、転向力より遠心力の方がはるかに大きい」
確かに、1994 年、四谷大塚の目崎先生も言っていた。
「ラピュタの中心近くで渦が逆回転になるシーンは、科学的に説明できるのです」と。
台風は北半球では反時計回りだけれども、
「竜巻の場合は、北半球でも時計回りと反時計回りで、発生率に大きな差はない」と。
だが、「やっぱりテレビは正しかった」わけでない。
完全な球面の水槽で、十分に静かに実験すれば、渦は反時計回りになるという。
つまり、どう考えるべきかというと、
視聴率に割の合うレベルの実験では、転向力は問題にならないということだろう。
なら、赤道上ではどうなるかというと、
残念ながら、そこまで下らない実験をした物理学者は、まだこの世にいないという。
結論として、たとえ下らない実験であれ、
視聴率に妥協したいい加減な実験を放送するから、科学離れが進むのである。
ぼくは、この番組を見たことがないが、
題名は「ローマの休日」にも出てくる、トレビの泉と英語のトリビアルからだと思う。
<<議題 9>>
チョコレートで鼻血は「出ない」のか?
<<考察>>
数日前の、Yahoo! トップページ。
R25か何かの記事だが、岡澤の判定は「嘘〜だあ〜」
普通の医者は、知らないかもしれんが、
チョコレートは、テオフィリン(テオブロミンだっけ?)が含まれている薬物。
食物で鼻血が出ることはなかろうが、
チョコレートは犬には毒だし、薬物として考えたら、医者として断言するのはどうよ?
大学教授クラスの医者だからって、
いや、大学教授クラスの医者だからこそ、細かい無駄知識はないことも多い。
国家試験に通ったのは、何十年も前の話。
専門の内科の最新知識はあっても、外科の知識は何十年前の基礎知識だったりする。
そんなんで大丈夫なのかって、
馬鹿なマスコミと違って、学問の基礎はそう簡単に変わらないから問題はない。
一方で確か他の雑誌には、
女性がチョコレートに夢中になるのはテオフィリンの薬物効果とか書いている。
このへんの整合性はどうよって、
別に、医学ジャーナルでもないのだから、大目に見てあげなさい。
子どもの頃、教わらなかった?
「大人になったら、本当のことを教えてくれる人なんて誰もいないのよ」って。
なお、チョコレートの結論は、
食い過ぎれば、テオフィリンの効果で血圧が上がって鼻血は出るかもよ。
ちょっと聞き電波な主張というのは、
複数の学問分野の専門家間に生じる、誤解や摩擦が原因に過ぎないと思う。
一種のJEJ変換。
「数学者 → 心理学者 → 数学者」で、公文公の主張が生まれる。
似非教養人には、翻訳できない。
専門家は、自分一人の知識では、説明することができない。
ちょっとした聞き違いで、パニックは生まれる。
家に1人くらいぼくみたいのいると、非常に便利だろうが、遺伝子的に難しい。
また、亜友の人生に与えた影響を考えると、
全ての家に1人くらいぼくみたいのがいたら、弁護士や官僚やカウンセラーは失業する。
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