公文式教育ママ殺人事件


 13年前の殺人事件の犯人を、警察より先にネット上にupするとは、

日本初の画期的な試みであると同時に、さすがピコ株式会社の子会社である。





 コラム 「公文国際学園 人物相関図」

 コラム 「京都大学カンニング事件」




 <<解説>> by 岡澤代祐 −公開 2010.9.9. last up date 2011.7.28.−


 −公文国際学園4期生の母親たちによる猟奇的殺人事件−

幇助犯 : 岡澤由美子 (実行犯に脅かされ騙された色彩が強く、刑事責任は発生しないと思う)
実行犯 : 内村陽子

殺害日時 : 1997.1.18.
殺害動機 : 実行犯=中学生の純愛を嘲笑ってやるため



 <<結論>>

「私なんてね、8歳年上の外科医と見合い結婚したのよ!

 それが、何。12歳で純愛なんて、笑わせないで!」




 内村・父には、悪いのだが、
息子さんは中学1年の頃、両親の見合い結婚を親友に相談していましたよ

 それで、2人の愛を試そうとして、
虹の大橋に岡澤の杖を置き、飛び降り自殺後の光景をセッティングしました。


(本当の純愛はね、これを見て後追いするのよ。貴女にできる? フフフ・・・)

 −玲奈ちゃんは、飛び降りました−

「13歳の小娘に、先を越された・・・・・・」

−終了−





 ふと思ったのだが、これは純愛以前の話で、
当時の内村陽子(35)が、性的欲求不満(セックスレス)を抱えていただけとか。

息子さんは中学3年の頃、父親の部屋で18禁ゲームを見つけたと親友に相談しました



 さて、母親たちの殺人を息子たちが推理。
「これは自作自演じゃないか」とか、「母親には教育的意図があった」とか、それは違う。

 2人とも、殺人を犯すような母親に育てられた。
自らの命を守るためには、IQ 160 クラスの知能が必要になるのは当然である


 だから、学校や塾の「養殖モノ」にはない鋭さ。
天然モノは、幼児虐待だとか殺人だとか、そういう環境でしか育たないのである

 精神病じみた教育ママが悪いのではなく、
「教育の本質は精神病だ」ということを文科省が発表できない状況が、悪いのだろう。







 岡澤代祐が、恋人の自殺を心配していると聞き、
佐藤玲奈の自殺に興味を持った内村・母は、仲の良い岡澤・母に事情を聞いた

 佐藤玲奈の自殺の話題に盛り上がる2人の母親だが、
男子寮で生活する息子たちは、心配するも、本当に何か実行するとは思わなかった。

 そして彼女の命日から2年が、何の変哲もなく過ぎる。
中学生の頭で「もし真犯人なら、警察の容疑者リストにも入らないはずない」と。



 元々、事件は未成年者略取誘拐で終わるはずで、
真っ先に警察の捜査線上に挙がる岡澤・母には、あえて全くの無関係を装わせた

 少しでも、アリバイが不自然だと警察に呼ばれ、
交友関係を探られたら、すぐに実行犯が内村・母であることが分かってしまうだろう。

 そして、岡澤・母の思いつきは、完璧だった。
PTA集会の日付を間違えた振りをして、公文国際学園を訪れ、教師に目撃させた



 これは、単なるアリバイ工作ではなかった。
警察には岡澤・母が、真犯人に騙されて、公文国際学園を訪れたように見えるのだ

 すると実行犯は、公文国際学園の関係者。
確かに、実際の実行犯は生徒の母親だから間違いないが、容疑者の人数が多すぎる。

 特に、佐藤玲奈は公文学園の生徒でない。
岡澤代祐以外の生徒には、「誰なのか想像もつかない」赤の他人を、誰が自殺させたか。



 この事件は、PTAの不特定多数性を利用し、
外科医の妻が、岡澤・母に依頼された殺人を実際に実行したという形式をとっている

 プロの殺し屋としては、セオリー通りというか、
犯行当日の殺害予定時刻には、依頼者には完璧なアリバイを作らせた」点が本格的。

 ただ、プロの殺し屋として、致命的なミスだが、
息子を信頼していた内村・母は、犯行に使用された証拠物品を、平気で息子に見せたのだ。



 そもそも母親2人とも、佐藤玲奈を殺すつもりはなく、
そして岡澤・母は1999年に息子がそれを知るまで、自分は何も知らない振りをした

 この殺人以降、2人の母親は疎遠になる。
思いがけずの殺人になってしまった以上は、連絡を断つしかなかったというわけだろう。



 警察が、逮捕に慎重な理由は、

1 岡澤の website の信憑性が高まり、国会が紛糾する

2 行政の責任問題が紛糾し、平成23年度予算が成立しない(判決前日までに衆院通過)。

3 「もう1個重要な問題を見つけた」 (以下に特記 これは確実に国会が紛糾するぞ




 そして、警察が2人を逮捕した場合、
内村家のプライバシー権を尊重して、実行犯の犯行動機は公表されない





 警察が、まだ逮捕に踏み切れないのは、
たぶん、「杖を使って金網を乗り越えた女子中学生」に、前例がないのだ

 「そんなの、逮捕が先だろ?」と言っても、
逮捕後は速やかに送検しなければならないし、検察官は実証実験するほど暇じゃない。

 起訴してから、「不可能犯罪」と言われても遅い。
警察は、同じ杖と金網を業者に発注して、実証実験の準備をしているはず


 証拠として押収した杖は、実験に使えない。
ぼくの杖を平気で遊び道具にした当時の同級生には、「なんて無駄な実験!」

 この方法で野球ボールを取ろうとした友達が、
担任の秋山先生に止められ、玲奈ちゃんに糾弾された記憶がなきにしもあらず。

 官僚の前例主義を批判するにも、
「杖を使って金網を乗り越えた女子中学生の前例」は、確かに重要な問題ですね・・・・・・



「誤認逮捕だったら人権問題じゃん」
「何て最先端科学文明の人権問題なんだ!」











 <<事件編>>

 佐藤玲奈は、岡澤を介護した「小学生時代の」恋人。
岡澤代祐は、交際中の1995.1.18.に、小脳出血の昏睡状態で緊急搬送された

 実は、この日は佐藤玲奈の告白の1週間後で、
佐藤玲奈は、自分のラブレターが小脳出血の原因だと考え、強い罪の意識を抱いた。

 小脳出血は、新生児期の虐待が原因である。
「PTSDの発作による高血圧」で、虐待によって出来た脳腫瘍が破裂したのである。

 岡澤代祐は、佐藤玲奈への返事を考える内に、
彼女まで虐待に巻き込まれる場面を想像して、PTSDの発作を起こした様子である。



 岡澤代祐と佐藤玲奈の仲は、近所でも有名で、
小学5年生にして「恋人になるのは時間の問題」と、職員室でも大評判だった

 その流れで、佐藤玲奈から告白したところ、
約1週間後に彼が小脳出血の昏睡状態で、大学病院に緊急搬送される騒ぎになった。

 佐藤玲奈は、自分のせいだと思い悩んだ末に、
身体障害者として退院してきた岡澤代祐を、一生介護するつもりで付き添っていた。

 佐藤玲奈の心中願望に気付いた岡澤代祐は、
小学校卒業式前日に自分から別れ話を切り出して、同級生の母親一同の涙を誘った。



 岡澤代祐は、佐藤玲奈の自殺を心配した。(*1)
統合失調症である母親の岡澤由美子は、玲奈に1月18日の自殺を教唆していた

 97年1月15日は、初の数学オリンピック予選。
前夜、4日後の佐藤玲奈の自殺を心配した岡澤代祐は、警察に通報までして心配した。

 寮で同室の内村も、これを笑ったが、
数学でライバル視していた岡澤代祐が、元カノの心配をしているのは面白くなかった。

 内村の母親も、この話を聞いて面白くない。
「13歳のくせに、一丁前に昔の恋人の自殺なんか心配しているんじゃないわよ!」





 佐藤玲奈は、1997.1.18. に変死体で発見された。
心配していた中学1年の岡澤代祐に、その死は教育的配慮により知らされなかった

 警察は、4日前に通報した岡澤代祐を疑ったが、
自殺も疑われる遺体の状況で、身体障害者の岡澤代祐に殺害は不可能と判断された。

 だが佐藤玲奈を連れ去った女が目撃されていた。
岡澤代祐の母親と同じくらいの年齢だったが、岡澤代祐の母親にはアリバイが存在した。

 警察は、この女を特定することができずに、
佐藤玲奈は殺害された疑いを残したまま、警察による捜査は終了せざるを得なかった

(*1)・・・参考。3005ptsd.html (←真相解明小脳出血へのリンク)






 <<推理編>>

 岡澤代祐の殺人容疑も晴れていないわけで、
佐藤玲奈の遺体の状況はもちろん、遺影の前に立ったこともなく、死亡記事も未確認

 事故の可能性があれば、目撃者捜しが始まる。
だが死亡記事がないことから、佐藤玲奈の遺体は事故を疑われる状況ではなかったのだ。

 自殺に使われる、最も重いものは本人の体重。
当時の岡澤代祐の身体障害レベルで扱いが困難と判断されるのは、この程度のものだろう。

 首吊りなら、他殺を自殺に見せるのは難しく、
飛び降りか飛び込み=入水自殺で、遺体には助かろうとした痕跡がなかったと思われる。



 佐藤玲奈は、連れ去った女の顔を見ている。
遺体には助かろうとした痕跡もなく、さらに助かる可能性も残されていなかっただろう

 ここまで死亡が確実な方法での自殺とは、
自殺ではなく、心中未遂で片方が逃げ出したと考えた方が自然で、被害者にその動機は強い。

 だが、相手は身体障害者の岡澤代祐である。
心中未遂なら殺人罪も成立するが、当時の岡澤代祐には心中未遂は不可能だったのだ。

 実際、岡澤代祐にはアリバイもある。
つまり佐藤玲奈は、岡澤代祐が自殺したと思い込み、後を追ったと考えるべきである。

 女は、そう話して彼女を連れ出したのだ。



 これなら、飛び降りか飛び込みは確定。
だって、例えば首吊りなら、そこにあるべき岡澤代祐の遺体がなければ後追いしない

 さらに飛び降りなら、確実に死ねる場所。
佐藤玲奈が、「もしかしたら下で怪我をしているかも」と探しに行ける場所では困るから。

 佐藤玲奈は、連れ去った女の顔を見ている。
ということは、彼女が後追い自殺を躊躇した場合にも、突き落とすなりして殺しただろう。

 だとすれば、目撃者のいない場所を選ぶが、
1997年当時の厚木市近辺、「虹の大橋」だと交通量が多すぎる上に、網のフェンスがある。

 すると、相模川上流という説が有力に。



 では、飛び降りや飛び込みで確実に死ぬか。
佐藤玲奈が、致死量の睡眠薬を飲んでの飛び降りや飛び込みなら、確実に死亡する

 特に、「岡澤代祐が遺書を残して行方不明」
その切羽詰まった状況を演出するためには、睡眠薬を見せるのは非常に効果的な方法だ。

 実は、この状況なら睡眠薬さえあれば殺せる。
岡澤代祐の自殺の痕跡を見て取り乱す彼女に、「精神安定剤だ」と言って過剰量を投与

 これをやるなら、橋のフェンスも邪魔になる。
それに、先行者の岡澤代祐に対しても、「虹の大橋で睡眠薬を併用するかな?」との疑問。


 実際の実行犯は、外科医の妻なのだが、
それならば、なおさら「警察には入手経路が特定できない睡眠薬」を使わない手はない

 すると再び、相模川上流説が有力に。





 確かに、1月18日の自殺は信憑性の高い話。
でも見知らぬ女に、ワープロ打ちの遺書と睡眠薬と痕跡を見せられただけで後追いか

 しかし、岡澤代祐の自殺を演出する方法はある。
小学校卒業時に岡澤代祐が使っていた杖を、自殺の現場に捨てておけば確実に本人特定。

 逆に、この杖がないと岡澤の自殺が怪しくなる。
靴を脱ぎ杖を持って自殺は不自然だし、杖も不要なほど体が回復したなら自殺はしない

 なら当時、岡澤代祐の杖はどうなっていたか。
使用されていなかった杖は、中学1年秋の文化祭で使われて以降、行方不明になっていた。



 容疑者には、動かぬ証拠があるのである。
紛失した杖は中学3年の頃、遊びに行ったこともない友人の内村宅で発見された

 男子寮生の内村の家は、県外である。
内村の父親が外科医だと知っていた岡澤代祐は、杖を「病院に寄付する」と申し出た。

 さらに、外科医宅になら睡眠薬もある
内村は母親の動機を、「うちのお袋は、純愛は死で完成する派なんだ」と推測していた。

 すると、完全犯罪を志向したのでなく、
「完全な純愛」を志向して演出したところ、完全犯罪になってしまったのである。





 だが、推理を「入水自殺」路線から「飛び降り」路線へ。


「入水自殺」説の理由

・ 玲奈ちゃんの「太宰治」発言が岡澤に与えた衝撃の強さ。

・ 「杖」を使った自殺偽装の確定的故意からすると、フェンスのない場所を選ぶはず。

・ 「心中で普通飛び降りはやらない」という、惣領冬実「太陽のイヂワル」


「飛び降り自殺」説の根拠

・ 飛び降り自殺説を支持する、2例目の噂話を受信





 あれ、どこで推理を間違えたのか。
実行犯は、玲奈ちゃんが途中で「帰る」と言い出した場合には、どうするつもり?

 いや、だって、外科医の妻なのだ。
特に殺害動機もない殺人に失敗して、「未成年者略取誘拐・殺人未遂」は痛すぎる。

 いくら警察の捜査線に上がりにくいとしても、
玲奈ちゃんが途中で「帰る」と言い出した場合には、いったい何のための誘拐なの?


 すると実行犯には、殺意はなかった?
自殺させるつもりはなかったのに自殺してしまった、予定外の殺人だったのか?


 現在のところ、そういう結論である。
実行犯は、ちょっとした嫌がらせのつもりで、佐藤玲奈を自殺させてしまった

 「彼女が泣き出せば十分だった」
むしろ、「後追い自殺できないなんて、さすが13歳のお子様カップルね」が目的。

 という実行犯の予想を大きく裏切って、
玲奈ちゃんは、内村・母が止める間もなくフェンスを乗り越えて、飛び降りてしまった。





 でも、あのフェンス、そんなに低かった?
1994年、小学5年の時は玲奈ちゃんも一緒にダム工事の社会科見学に来た記憶

 あの時は、虹の絵の低い縦縞鉄格子のみ。
岡澤が玲奈ちゃんの死を知った1999年には、既に自殺防止用の金網があった気がする。

 ネットに載っていた写真を見ると、
景観問題で揉めたらしい、成人男性の身長くらいの自殺防止用金網が、内側に見える。


 内村・母は、絶対に下見に来ているはず。
岡澤代祐の杖を近辺に隠しがてら、現場の安全性を確認しに来たはずだ

 だって、玲奈ちゃんの後追いは困る。
「万が一、彼女が後追い自殺しようとしたら、私が止めれば済む」と思っていたはず。

 だから、既に当時、金網はあったろう。
1994年当時の低い手すりだけなら、内村・母も犯行現場を選び直すだろうから。



 そこまで安全に配慮した誘拐だった。
内村・母がどこまで自白したか知らないが、内村・母の視点ではこれは事故だ

 警察も、内村・母に殺意がないとしたら、
「どうやって佐藤玲奈があの金網を超えて、向こう側に飛び降りたか」分からない。

 内村・母も、殺人を犯すつもりはない。
「実行犯に殺意はなかったが、止める前に佐藤玲奈が飛び降りた」推理は無理だと・・・


 玲奈ちゃんは、遺品を見てどう思うか。
分かった。玲奈ちゃんは、ぼくが「杖を踏み台にしてフェンスを上った」と考えた!

 遺品に、靴はちゃんと用意したの?
あの金網は、「靴を履いたままだと上手く上れない」から、自殺防止効果があるんだ。

 位置的に、学校帰りを装う場所じゃない。
自殺に余計なものを持ってくるのも不自然だから、杖しか用意しなかったんじゃない?

 台になりそうな物は、虹の大橋に持ち込めない。
フェンスの存在を知ったのが前日の下見だったとかで、靴まで気が回らなかったのだと。



 杖の性質上、先端は強力な滑り止め。
教室の隅にも立てかけられたし、小さな隙間があればどこでも立てかけられる

 あの写真の金網を見る限りだと、
T字型になった杖の持ち手をどこかに引っかければ、地面から斜めに立てかけられる。

 「靴を脱がなきゃ金網は上れない」はず・・・
逆に、杖の取っ手を足場にするなら、靴のままの方が滑りにくいと思う。


 靴のまま上れるのなら、一瞬だろう。
「私は、自殺できないように十分に注意してから脅かしたのに、過失でした・・・・・・」

 いや、それは多分過失じゃなくて、故意犯だから。
判例でも学説でも、誘拐事件と玲奈ちゃんの死の因果関係は否定しないように見える。

 自殺関与で許されることも、たぶん、ない。












 さらに、
「夏仕舞冬支度」からの結論。
たぶん内村・母は、虹の大橋の自殺防止用フェンス設置のために寄付をしていると思う

 いや、「虹の大橋」説は、高校1年の秋にもあった。
誰がその「虹の大橋」説を展開していたかというと、上記容疑者の息子である羽生だ。

 ぼく自身、9月の時点でこの説を思い出したが、
「虹の大橋」では、自殺を装った殺人は無理だという理由で、この説を捨てた。


 羽生との会話の全部は覚えていない。
特に、「俺のお袋が玲奈ちゃんを殺した」羽生説は妄想に思えたので、仕方ない

 もっとも、羽生市出身では「虹の大橋」は知らない。
「岡澤の家の近くで自殺の名所といえば?」と聞かれて、「虹の大橋」と答えただけ。



 では、どうして羽生は「虹の大橋」にこだわったか?

多数説 内村・母が、ネットで「神奈川の自殺の名所」でも検索していたんじゃない?
有力説 内村・母は自死遺族のために、清川村にフェンス設置費用を寄付したとか

なるほど、有力説は確かに有力だが、常識的に考えて有り得ない



 でも、そんな非常識が事実が存在したからこそ、
あの数学部の羽生の記憶に残り、彼を「虹の大橋」説に固執させたのじゃないか

 これなら、警察の反応を理解できるのだ。
内村・母に「あのフェンスを設置したのは私です」と言われたら、確かに逮捕は難しい。

 フェンス設置は、捜査攪乱目的だろうが、
内村・母には、フェンス設置までして玲奈ちゃんを殺さなければならない動機がない


岡澤 「お前のお袋さんが、どうしてそこまでして玲奈ちゃんを殺すんだ?」
羽生 「分からない」


 警察も、同じところに疑問を感じて、
「岡澤代祐は、羽生・母の佐藤玲奈殺害動機の重要な部分を、まだ記憶喪失している」

 そこで、相模原保健所に相談して、
「捜査情報は一部提供するから、岡澤君の記憶喪失を治療できませんかねえ」と提案した。

 そして、岡澤の記憶回復を待つと、
岡澤 「だったら羽生・母は、玲奈ちゃんを殺すつもりではなく誘拐したんだよ」


 −探偵として、至極当然の反応である−


 つまり、犯人逮捕の失敗は許されるが、
失敗の原因を「岡澤代祐の記憶喪失」のせいにして、捜査を中断したのは許容範囲外

 それで県警本部長辞任騒ぎなら、納得










 不謹慎だが、飛び降りと結論して安心もした。
高い場所からの飛び降りは、途中で気を失った後に地面に叩きつけられて即死である

 1月の入水自殺は、楽観しても心臓麻痺。
窒息死はそうとう苦しむし、睡眠薬と併用したとしても、その苦しみは想像を絶する。















 <<解決編>>

 内村は、母親の異変に気付いている。
岡澤代祐が心配していた日付の母の不審な外出に、岡澤代祐の身辺調査報告書まで

 岡澤代祐の杖が、実家で見つかる不思議。
ミステリー好きの女が、意味なく探偵を雇うというのは、実のところはよくある話だが。(*2)

 数学オリンピック日本代表候補、岡澤代祐。
内村に、その意気込みを聞かれて、「日本代表になったら、玲奈ちゃんとやり直すんだ」

 内村は、その瞬間に真実に気付く。
ミステリー好きの自分の母親が、岡澤代祐の最愛の恋人を殺したかもしれない2年前の話に。



 内村に急かされ、佐藤玲奈を探す。
岡澤代祐は 1997.1.18. の佐藤玲奈の死を知るも、心配する内村には話せない

 岡澤代祐は、当日目撃された女の話を聞く。
真っ先に自分の母親を疑うものの、仮に自分の母親が犯人なら、もっと早く捕まるはず。

 心配する内村には、真実を話せない。
互いに佐藤玲奈殺害を、自分の母親の犯行と疑っているわけだが、口には出せない

 次の年の数学オリンピックは、2人とも失敗。
岡澤代祐は、内村が佐藤玲奈の死に気付いたと分かるが、まさか殺人は疑わない。



 佐藤玲奈を失って、悲嘆にくれる岡澤代祐。
岡澤代祐の異変に気付きつつ、同級生の大嶋桜子は岡澤代祐に結婚を申し込む

 自棄になった岡澤代祐は、その求婚を受ける。
それまで略奪婚まがいの方法で岡澤代祐に迫った大嶋桜子の願いが、成就した形だ。

 卒業後、岡澤代祐と大嶋桜子の婚約が問題になる。
警察は、目撃証言と同年代の、大嶋桜子の母親に略奪婚目当ての殺人容疑をかける。

 大嶋桜子の母親は、無実を主張して自殺してしまう。
大嶋桜子の母親の無実を、岡澤代祐は承知していたが、無実の証言は頼まれなかった。





 岡澤代祐は、国会議員の私設秘書をしていた。
大嶋桜子の父親は、米国の情報シンクタンクに、岡澤代祐を徹底的に調べさせた

 岡澤代祐は、給与を受け取っておらず、
その原因は殺人容疑であり、内閣も国会も佐藤玲奈殺害の犯人を捜していると判明した。

 大嶋晃一は、娘から高校時代の話を聞き、
内村の母親に疑いをもつが、証拠も動機も分からず、真相は岡澤本人にしか分からない。

 だが大嶋晃一は、娘の彼氏を助けたくない
岡澤代祐のインターネット閲覧情報の傍受で、彼が「ヲサカナソフト」を気に入ったと知る。



 そこで大嶋晃一は、「ヲサカナソフト」買収。
娘の桜子に、「私の作ったゲームをあの男が解読できたら、結婚を認めよう」と提案

 父親の命令で、高校時代の仲間に協力を求める桜子。
高校時代の仲間は、岡澤代祐が仕事もせずに無料配布ゲームばかりしていると思いこむ。

 文句を言いつつも、皆の協力でゲームは完成する。
仕事の合間にゲームをしているだけの岡澤も、公開から数ヶ月遅れてダウンロードする。

 岡澤も驚きつつ、半年かけてゲームを解読すると、
「佐藤玲奈殺害の犯人は、内村の母親」という制作者のメッセージが解読される。



 ビックリ!



 これは、内閣も国会も、必死に捜していた情報で、

岡澤 「知っているなら、さっさと教えろクソ親父!」
晃一 「教えてもらっただけ有り難いと思え、能なし探偵社!」


という不毛な争いが、今日も続いているようである。


 当然のことを1つ指摘しておくと、
これだけ複雑な事情を知った桜子(亜友)は、重症のマリッジ・ブルーなのだろう



(*2)・・・●織 「ああ? 数学科。てめえ喧嘩売ってんのか?」









 それで、亜友・母の冤罪事件なのだが、
亜友・母自身、警察よりも厳しい態度で亜友・父の取り調べにあたったんじゃない?



 だから、両親の夫婦喧嘩を真似した亜友が、
高校1年C組の教室に、「この泥棒猫!」と怒鳴り込んだ騒ぎが、警察の耳に入った。

 気の毒だが、身から出たサビとも言える。
あまり激しい夫婦喧嘩をすると、警察に殺人容疑をかけられることもあるのだろう



















 <<余談>>

 探偵社らしい例え話をするならば、
2007年1月の岡澤web告発は、公文国際学園に注射した致死量のトリカブト毒アコニチン

 常識的には、半年以内に即死する。
だが、3年経っても公文学園が倒産しないので、誰もが岡澤のウェブ告発に半信半疑である。

 ここで判明する、さらに複雑な話。
学園の保護者が息子の同級生の恋人を殺した事件も、学園にとっては十分に致死量を超える。

 そう。喩えるならフグ毒テトロドトキシン。
公文国際学園は、この2つの猛毒の作用が拮抗しあって、3年経っても死なないだけだ。





 この殺人事件は、現実を上手く説明する。
興信所などが自分のことを調べていたら、それに気付かないほど鈍い岡澤ではない

 その時期は、2007年の秋と、2008年の秋。
2008年秋の探偵は、民主党員が選挙前に岡澤の身体検査をしていたとしか考えられない。

 それでも、岡澤の潔白を証明できなかった。
そりゃ、公文国際学園4期生の人間関係を知らない人に、内村陽子の特定は不可能だ。

 だから、民主党の頼みで、解散が遠のいた。
無実なら岡澤公認だと、異例の4度に分けて名簿を発表して、前日深夜まで悩み抜いた。



 岡澤Fax1号は、2007年の通常国会を炎上させ、
続くFax2号が安倍首相を辞任に追い込んだから、「岡澤を国会に呼ぼう」という話に

 それで、「まあ待て」と身体検査をしたところ、
佐藤玲奈殺害の最重要容疑者と判明し、小沢さんが辞意を表明し、当然ながら慰留される。

 政治家は、岡澤が殺人犯だと思っていたのでなく、
真犯人逮捕前に岡澤が有名になると、悪意者の世論操作で、岡澤が殺人犯にされてしまう。

 そこで、2008年の秋に2度目の身体検査である。
この状況に気付いた大嶋桜子の父親らしきも、晩秋に岡澤代祐の身体検査をしていた。



 岡澤代祐の無実は晴れず、2009年の秋に政権交代。
皮肉なことに、政権交代直後に、佐藤玲奈に関する岡澤代祐の記憶が回復し始める

 「本人なら、自分の無実を証明できるはずだ」と、
総理率いる警察と、岡澤代祐率いる小川三四郎探偵事務所は、競って真実解明に乗り出す。

 なぜ、警察が必死になっていたか考えてみると、
岡澤が自力で無実を証明した場合、政治家は岡澤代祐に恩を着せることができないから?



 というのが、官僚のシナリオだと思う





 岡澤は、当然ながら気付いているのである。
2010年8月後半から、何者かによる身体検査が始まったらしい様子に

 与党にしては、安っぽい身体検査に思える。
さすがに、秋の臨時国会冒頭での「衆院解散フラグ」だとは・・・羽田孜元首相が引退・・・!? (*3)

 実は、上記身体検査は、終了した様子で、
報告書作成に1週間かけると、ちょうど臨時国会の冒頭に間に合うというタイミング。



 違う。これは高校生の夏休みに連動した。
いや、智美さんの家に小川三四郎探偵事務所の名刺を送って以降とも言える

 厚木市内で、それだけ噂になったなら、
地元の代議士の耳に入っていてもって・・・・・・そもそも、岡澤、あの人と面識あるじゃん。



 こうなると、もはや誰が何の目的なのか区別できない。



(*3)・・・「サマー・ウォーズ」の舞台は、長野3区に含まれる。羽田孜元首相の。








 <<共謀罪!?>>

 反対派のウェブサイトに、
「主婦の噂話程度でも立件に繋がるんですよ」という話が掲載されていたのを見た

 だが、今回の事件を見ると、
主婦の噂話程度で殺人事件に発展し、こういう場合は警察も容疑者を特定できないのだ。



 少し、問題の裏側が見える。
今回の事件は私立中高一貫校を舞台に、PTA組織を利用した殺人だから、まだ良い

 私立学校より少し大きな問題としては、
「政党を舞台に、後援会のメンバー全員に容疑をかけるような殺人は、非常に面倒くさい」



 問題の核心は、政党よりも大きく、
宗教団体を舞台にした、信者全員に容疑をかけるような殺人は、警察の手に負えない

 つまり、問題は「偏見」に過ぎず、
犯罪の温床となりやすいのはカルト宗教だけでなく、私立学校も例外ではないだけだ。

 新興宗教だけが攻撃の対象になる理由は、
単純に、1995年に起きたオウム真理教事件の記憶が忘れ去られていないだけだろう。

 それ以前のことなんか、誰も覚えていない。



 身近なテロ対策の必要性である。
だが岡澤・母と内村・母は、私立学校さえ容易に「脱法的な殺人」に転化すると証明した

 警察は、日常生活を規制するしかない。
すると当然のように、国会議員に対する取り引きの材料として「共謀罪の成立」を持ち出す。



 現在の三権分立だと、この流れになる。
しかし共謀罪成立で民主主義は死滅する可能性が高いため、かなり危険な状態ではある

 確かに、一般的な政治家には不利だが、
逆に、「共謀罪なんてザル法だよ」と言ってのける岡澤には、相対的に有利になるわけだ。

 超高知能者集団独裁という流れである。
ただ、岡澤は武器製造を容認するつもりはないし、マフィア独裁の状況にはならないと思う。







 <<警察不祥事>>

 なるほど。これは、警察の不祥事。
警察は、遅くとも2002年に岡澤からの相談を受けた時点で、動くべきだったのだ

 岡澤の主張に、曖昧な部分があっても、
岡澤の相談に出てくる公文国際学園のPTAには殺人犯がいて、岡澤は4日前の通報者。



 いや、警察は相談を、見逃したのでない。
警察は岡澤を殺人犯だと決めつけていたから、あえて相談を無視したのだろう

 警察の情報処理能力は、知っている。
学事振興課の書類だけで、亜友・母を犯人扱いする程度の情報処理能力は、あるはずだ。

 なら、警察が岡澤を嫌う理由としては、
「玲奈ちゃん殺害の依頼者は岡澤代祐だ」という、決めつけがあったからだろう。



 という偏見で、岡澤の相談を無視したら、
自力で犯人捜しを始めた岡澤に対抗して、真犯人は岡澤の教え子を殺し始めた

 いちおう、セオリー通りの警察の回答は、
「依頼者である岡澤代祐と実行犯の仲間割れによる殺人」というのが、大本命だと思う。

 それで、さらに6人の被害者を出して、
警察の威信に懸けても、「岡澤代祐が佐藤玲奈殺害の依頼者でなければ困る」はず。



 すると、セオリー通りの警察の方針は、
とにかく岡澤代祐を別件で引っ張ってきて、どんな手段を用いても自白させる

 なら、2010年、危ない橋だったんだな。
鎌倉簡裁だろうと父島だろうと、一度逮捕されたら「殺人罪」で再逮捕されたはずだ。





 ええと、内村・母が逮捕された場合、
予算審議そっちのけで、取り調べ可視化法が成立しそうな炎上も否定できない

 たぶん、水面下では既に炎上していて、
だから国家公安委員長とか、法務大臣が、臨時会で袋だたきにされたのだと思う。

 ロス疑惑再燃。